愛らしい表情の顔や体に刻まれた線の模様、裏にある注ぎ口のような穴に注目です。
上益城郡御船町の県立御船高校に所蔵されている土器の貴重さが認められ、大分県で
7日から展示されました。
熊本県立御船高校です。玄関のショーケースに置かれているこちらの『人面付土器』。「貴重な資料である」と評価され、大分県立埋蔵文化財センターで展示されることになりました。
【大分県立埋蔵文化財センター西 貴史さん】
「大分県立埋蔵文化財センターで『ひとのかたち』という展示を行う。その中で、九州内外の人の形をした遺跡から見つかった資料をたくさん展示する。目玉の一つとして、御船高校が所蔵している人面付土器を借りたい」
この日は、校長室で『人面付土器』の貸与式が行われました。
今から2000年ほど前の弥生時代後期のものとみられる『人面付土器』。
1927年の夏、農地を開くための区画整理が行われていた、のちの秋永遺跡で
少年が発見し、学校に持ち込みました。
それ以来、100年近くこの御船高校で所蔵されてきたそうです。
裏には、注ぎ口のような穴があり、中は空洞になっています。
【大分県立埋蔵文化財センター西 貴史さん】
「人形としての機能もあるが、本来的には、中に何かを入れて〈注ぐ〉というような道具の一つであったと思われている」
土器の顔や胴体などに刻まれた線状の模様も特徴の一つです。
【大分県立埋蔵文化財センター西 貴史さん】
「当時、弥生時代の人が体に入れ墨をしていた様子をこのような形で表現している
とされている資料です」「なかなか九州の中ではこのような資料は多くなくて貴重な資料となっていて、当時の弥生時代の人がどのような装いをしていたのかを知る貴重な資料になっている」
運送業者の手で丁寧に梱包されていく『人面付土器』を見て、校長や職員は…
【橋本 岳範 校長】
「〈申し訳なかったな〉と思って、これまでの扱いが」(価値って聞いてみないと)
「分からんですね」
【豊永 祐樹 事務長】
「反省しています」「素手でこうやっていたのを」
【橋本 岳範 校長】
「『価値がある』と言われてから眺めに毎日行っていた。かわいらしい顔で愛嬌ある顔だったから、想像力を掻き立てられるような表情。寂しくなりますよね」
【橋本 岳範 校長】
「これからも大事にしていきたいし、しっかり生徒には100年前の発見のストーリーとかも伝えていきたい」
この『人面付土器』は7日から大分市の大分県立埋蔵文化財センターで12月14日まで展示されます。