自民党の高市早苗総裁誕生で、これから本格的に動き出すのが連立政権の拡大です。
その行方が自身の政治生命を大きく左右しかねない福岡のある国会議員が、気をもんでいます。
麻生太郎氏を副総裁に指名するなど、新しい執行部を立ち上げた自民党の高市新総裁。
ジャーナリストの鈴木哲夫さんは、ここから早速、正念場を迎えると言います。
◆鈴木哲夫さん
「自公だけでは、法律一本通らない。連立政権なんてこともある、それから政策ごとに協力、これは石破政権の時もやってきた。どういう形で、どの党がどうくっつくのか、これからが大変」
現在、自民党と公明党の連立政権は、衆議院・参議院ともに過半数に達しておらず、連立拡大に向けての交渉が注目されています。
その連携先の候補の一つが「日本維新の会」です。
◆日本維新の会 村上智信 衆院議員
「『日本維新の会』の村上智信です。おはようございます」
福岡11区の衆議院議員、「日本維新の会」の村上智信氏。
中央で進む連立交渉を複雑な思いで見ています。
◆日本維新の会 村上智信 衆院議員
「(連立の)メリットとしてはやはり政策が通りやすくなる。デメリットとしては選挙区調整がある。福岡11区でも選挙区調整はあり得ること」
村上氏は、去年10月の衆議院選挙で、裏金問題に揺れた自民党の重鎮・武田良太氏を破り、初当選を果たしました。
しかし維新が連立入りした場合、次の選挙では、与党としての候補が、自民の武田氏と維新の村上氏のどちらか一方に絞られる可能性が出てくるのです。
◆日本維新の会 村上智信 衆院議員
「ここ(福岡11区)は自民党の武田さんが前回落選して、私が当選。普通に考えると、選挙区調整すると現職優先だと思うので、自分の中では、選挙区調整があっても自分が選ばれないことはないと思っています」
連立与党入りのもう一つの有力候補が、国民民主党です。
5日に高市総裁と国民民主党の玉木代表が極秘で意見を交換するなど、連立入りの可能性がにわかに高まってきていて、福岡の議員もその流れを注目しています。
◆国民民主党 福岡県連 大田京子 代表
「(自民と国民民主党は)政策が比較的同じ方向を向いているので、我々としては、より政策実現に向けて力強く進めるんじゃないかという印象を持っています」
ですが、ジレンマも抱えています。
支援組織である「連合」が、与党入りに反対しているからです。
◆国民民主党 福岡県連 大田京子 代表
「党員・サポーターの方は、SNSを通じて反応を見る限りでは比較的(与党入りに)否定的ではない気がする。かと言って推進派が多いわけでもないので、冷静に見ているんじゃないかと思います」
高市総裁は、「来週にも開かれる臨時国会までに新たな連立の枠組みを固めたい」との意向を示しています。
1999年に誕生した自公政権、四半世紀の時が経過し、その枠組みがどうなるのか、今、大きな節目を迎えようとしています。
連立の形で一番注目されているのが「公明党が連立政権」に残るかどうか、です。
公明党は政治的に中道路線で、毎年、靖国参拝を続けてきた高市氏の保守色の強い政治姿勢に、支持母体である創価学会から反発の声が出ているためです。
実際に創価学会の幹部は「連立からの離脱も腹に抱えながら、高市自民党には言いたいことを言っていく」と、連立離脱も辞さない構えを示しています。