OECD(経済協力開発機構)が教員の勤務環境などを比較した調査結果が公表され、日本の教員の仕事時間は世界で最も長かったことが分かりました。
OECDの「国際教員指導環境調査(TALIS)」は、学校の学習環境と教員の勤務環境に焦点を当てた調査で、日本は2013年と2018年の調査に続き3回目の参加となります。
今回の調査にはOECD加盟国など55の国と地域が参加し、日本では、2024年の2月から3月にかけて小・中学校、それぞれ約200校の校長と教員に対して調査が行われました。
調査結果によりますと、教員の仕事時間は小学校で52.1時間(前回56.1時間)、中学校で55.1時間(前回59.1時間)と、前回の調査と比べていずれも4時間余り短くなっているものの、前回に引き続き、参加国の中で最も長かったことが分かりました。
一方、「教員の不足感が増加しているか」という質問については、前回の調査と比べ、小学校が19.2%から40.7%に、中学校が27.5%から35.6%に大幅に増加したことがわかました。
また、小・中学校ともに授業準備、授業数、採点業務、事務的業務、保護者対応にかかる仕事時間は前回の調査と比べて減少または同程度だったにもかかわらず、教員のストレスについては、いずれの項目においても増加していることが分かりました。
このほか、今回初めてAI(人工知能)の使用状況についての調査が行われ、過去1年間の授業で児童や生徒が学習しやすくするためにAIを使った教員の割合は、小・中学校ともに国際平均の半分程度でした。
文部科学省は、「働き方改革の加速や処遇改善、指導体制や運営体制の充実に引き続きしっかりと取り組んでいく必要がある」としています。