点鼻薬「ネフィー」普及に期待も課題
アナフィラキシー症状を起こした場合、アドレナリン薬剤が投与される。日本では、一般的に筋肉自己注射「エピペン」が処方されている。
しかし、エピペンは本人にかわり保護者や学校関係者などが注射する際、抵抗感やためらいがあることから、投与が遅れているとの課題があった。

そんな中、患者から期待されているのが、点鼻薬「ネフィー」の普及だ。
アナフィラキシーに対応する点鼻薬「ネフィー」は、2025年9月に日本国内で製造販売承認を取得した。薬価交渉などを経て、処方開始時期が発表される方針だ。
ただ、国立病院機構相模原病院臨床研究センター長の海老沢氏は、アメリカのトランプ政権による影響を懸念している。トランプ大統領は、米国で販売されている医薬品について、OECDなどの先進国で提供されている最低価格にあわせる「最恵国待遇(MFN)薬価」の導入を呼びかけている。

海老沢氏は「日本は国民皆保険制度のもとで薬価は安価に抑えられている。米国企業にとっては脅威で、薬価によっては日本への供給を控える可能性もあるので心配だ」と指摘する。
様々なアレルギーに悩む人が増えている今、アレルギーと向き合う人たちと懸命にケアする家族たちがより自由にいきられるよう、社会的理解を一層深める時期がきている。
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