アサヒグループホールディングスのサイバー被害は5日目となりました。
一部の受注を手作業に切り替えた分について、3日から納品を始めますが、依然としてシステム復旧のメドはたっていません。
このニュースについて、中央大学法科大学院教授の野村修也さんと詳しくみていきます。
青井実キャスター:
サイバー被害5日ということですが、まだ復旧のめどが立たないんですね。
中央大学法科大学院教授・野村修也さん:
サイバー攻撃の恐ろしさは、ターゲットになった会社だけでなく、関連するところに大きく被害が広がるということなんですね。
遠藤玲子キャスター:
かなり影響が広がっているようなんです。これまでに国内グループ各社の受注・出荷業務が停止していて、一部の受注は手作業に切り替えて行なっています。その結果、全国約30の工場の大部分で生産がストップしてしますし、新商品の発売が延期だったり、コンビニなど一部の商品の納品が滞っているという状態です。
さらに具体的にどのような声が上がっているかといいますと、取材した酒店は「たるやソフトドリンクの在庫がなくなってしまっているよ」。さらに焼き鳥店は、「今週中にはたるがなくなってしまうかもしれない。楽しみにしているお客さんに対してどうしよう」。丸源ラーメンも「新規の入荷がなくて、在庫がなくなれば他社製品に切り替えなければいけない」と困惑が広がっています。
青井実キャスター:
野村さん、焼き鳥とビールという組み合わせもありますしね。
中央大学法科大学院教授・野村修也さん:
ビールを楽しみにしている人たちはたくさんいますからね。早く復旧してほしいですね。
遠藤玲子キャスター:
ただ、時間はかなりかかりそうで、今回のサイバー攻撃について捜査当局は、「ランサムウェア」と呼ばれる被害とみているんです。これは、パソコンなどに保存されているデータを暗号化して使用できなくして、その復元のためには身代金などを払ってください、というふうに攻撃者がしているということで、これに関してサイバー攻撃に詳しいITジャーナリストの三上洋さんは今回、生産ラインだけでなく配送システムなど全体が停滞しているということで、早くても1~2カ月、数カ月かかってしまう可能性もあるということなんです。
青井実キャスター:
ランサムウェアの被害というのはいろいろあるわけですけども、防御していると思うんですけど、なかなか防ぐのは難しいと考えるべきですか?
中央大学法科大学院教授・野村修也さん:
これまでは一歩も入れないという仕組みだったんですけども、やっぱりすり抜けてくるんですね。入ってきたあと二重三重に攻撃があるので、一重目のところで止めるような仕組みとか、さらには「レジリエンス」と言っているんですけども、実際に攻撃を受けたあとにバックアップ機能とかを働かせることによって事業を継続させることも企業にとっては非常に重要なポイントになっているんです。
青井実キャスター:
長期的に見るとサイバー攻撃の対応を企業ごとにやっていかないといけない。ただ、今回の影響が早く収束することを願うばかりですね。