宮城県栗原市議会で、議長の「脱帽」指示に従わず退去を拒んだとして逮捕された70代の男性について、仙台地方検察庁は処分保留とし、釈放していたことが分かった。
釈放されたのは、栗原市に住む無職の70代男性。
警察によると、男性は9月22日午前11時ごろ、市議会の傍聴席でハンチング帽を着用したまま傍聴していたところ、議長から「脱帽するか、退去するか」と指示されたが、いずれも拒否。およそ40分にわたり退去せず、建造物不退去の疑いで現行犯逮捕された。
男性は今年7月と9月17日にも帽子をかぶって傍聴しており、17日には市議会事務局の職員に退出させられていたという。
栗原市議会の傍聴規則では、帽子やコート、マフラーの着用が禁止されていて、正当な理由がある場合は事前申請が必要とされている。
仙台地検は9月30日付で処分保留とし、男性を釈放した。
栗原市の佐藤智市長は10月3日の定例会見で次のように述べた。
「議会の秩序は議長の判断として尊重したい。私は古い人間なので帽子は外で被るものと思っている。個人的には室内では帽子をとるべきと教わってきたが、近年はルールも変わってきている。議会として申し出があれば許可することも考えられるので、これは議長の判断でよいと思う」