島根県大田市の菓子店が販売しているドイツの伝統菓子「バウムクーヘン」。
この「バウムクーヘン」をある特別な場所で熟成させ、仕上げたということです。
誕生の背景を取材しました。

大田市の展示施設、三瓶縄文の森ミュージアム。
エレベーターに乗り込んだのは、菓子店のパティシエと近くにある三瓶自然館の職員で、展示室の地下に向かいました。

ここに置かれていたのが…新商品のバウムクーヘン。
ここでおよそ1か月熟成…仕上がり具合を確認します。

できあがったのが「三瓶埋没林 熟成バウムクーヘン」。
生地を日本酒やブランデーに漬け込み、温度や湿度が安定している地下の環境で熟成させました。

ドイツ語で「木のお菓子」を意味するバウムクーヘン。焼くときにできる生地の層は、木の年輪にそっくりです。

観光客:
やわらかくて、甘さがあって、でも中はふんわりとしています。

実はこの新商品、ミュージアムが大田市の菓子店に依頼して誕生しました。

三瓶自然館・中村唯史さん:
「埋没林」が、知らない人にわかりにくいので、お菓子を通じて知っていただくことにつながればすごく嬉しい。

この施設で保存、展示されている約4000年前の三瓶山の噴火で埋もれた「三瓶小豆原埋没林」など、火山活動があった縄文時代から石見銀山が栄えた近世までの歴史をたどるストーリーは、文化庁の「日本遺産」にも登録されています。

大田市の貴重な観光資源の一つ「埋没林」に足を運ぶきっかけになればと考えたのが、このバウムクーヘンでした。

ベッカライ コンディトライ ヒダカ・日高直子さん:
埋没林ってものすごい文化遺産だと思いますので、木を模したお菓子バームクーヘンを、お菓子屋さんとしてもアピールに協力していけたらなと思っています。

「三瓶埋没林 熟成バウムクーヘン」は、大田市大森町の「ベッカライ コンディトライ ヒダカ」の店頭やオンラインショップで販売。
地域一体で大田の観光を盛り上げます。

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

鳥取・島根の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。