自民党総裁選の投票日が目前に迫る中、小泉進次郎氏が会長を務める神奈川県連の党員票名簿をめぐる問題が波紋を広げています。
さらに国会議員票の争奪戦も激しさを増し、決選投票の可能性も高まっている状況です。
1日、関西テレビの「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、自民党総裁選の構図を「強い保守」の高市氏・小林氏VS「マイルドな保守」の小泉氏・林氏と分析。
小泉氏と支持を伸ばしているという林氏との決選投票になった場合、小泉氏が「独自色を消した」ことで、「林氏に票が流れる」と解説しました。
■国会議員票は小泉氏リード、党員票では高市氏が優位
FNNの取材によると、国会議員票は小泉氏がトップで80人超、林氏が約60人、高市氏が40人超、小林氏と茂木氏がそれぞれ約30人の支持を集めているという状況です。(投票先を決めていない態度不明は約50人。)※9月29日の調査。
一方、自民党支持者に対する共同通信社の世論調査では、高市氏が34.4%でトップ、次いで小泉氏が29.3%、林氏が19.5%となっています。※9月27日~28日の調査。
現在の情勢では1回目の投票で過半数を得る候補が出ず、決選投票になる可能性が高いとみられています。決選投票では、小泉氏、林氏、高市氏のうち上位2名になる可能性が高いと予想されます。
■高市氏と小泉氏で優勢なのは「小泉氏」と分析
橋下氏は、自民党内の勢力図について「大きく分けると2つの考え方のグループに分かれる」と分析。「高市氏と小林氏が強い保守」、「小泉氏と林氏がマイルドな保守」と表現しました。
【橋下徹氏】「高市さん、小林さんは強い方針で、ちょっとマイルドなのが小泉さんと林さんなんだけども、問題なのが高市さんと小泉さんの決選投票の場合、どっちを選ぶかとなると、今自民党はマイルドな方が優勢なんですよ。だから優勢なのは小泉さん」
■「色を消した」小泉氏…変わり映えのしない林氏と小泉氏なら「票が林氏に流れる可能性も」
橋下氏はさらに「林氏と小泉氏という同じような考え方の人が2人で決選投票になれば、変わり映えのしない2人での戦いになる。その場合、経験で林さんの方に国会議員票が流れる可能性が非常に高い」との見方を示しました。
【橋下徹氏】「小泉さんが優勢なんだけれども、林さんと小泉さんと同じような考え方の人が2人上がってきたときに、僕は小泉さんが相当改革の持論を封印して、色を消して、今ここまできているので、林さんと小泉さんが変わらないような状態になっているんですよ。
代わり映えのしない2人での決選投票になる可能性もあるとなれば、経験でいくと林さんの方に国会議員票が流れる可能性がものすごく高いと永田町で言われています。
小泉さんは本当は改革的な思考で、選択的夫婦別姓賛成だとか、ああいうことをどんどん言ってほしかったんですが、全部封印したじゃないですか。
だから基本的に(考え方が)変わらなくなってきてるので、経験ということになると、国会議員(票)は林さんに流れるということもあるのかなというに思います」
(Q:林氏が今追い上げてきているということ?)
【橋下徹氏】「やっぱり安定感とか(で支持を集めている)。高市さんの主張に関しては『ちょっと強すぎる』という声が永田町の中では今広がってきてますよね。だから議員票が、全然国会議員から支持される流れが今できてないんです。弱いままなんですよね」
■「神奈川党員票」問題 橋下氏「もっと早く表に出しておけば」
そんな中、小泉進次郎氏のお膝元である神奈川県の党員票数に関する問題が浮上しました。
自民党は先月27日、神奈川県の党員票数を訂正し、投票資格を持つ党員が約800人増加したと発表。党側は「6月に誤って名簿から削除した事務的なミス」と説明していますが、ネット上では「党員票の操作ではないか」という憶測が拡散しています。
これに対して小泉氏はFNNの取材に対し、「ありえない話だ。非常に困惑し、遺憾に思っている」とコメント。
また神奈川県連も会見を開き、「県連のミスで有権者の大幅訂正が出て混乱を招いたことをお詫びする」と謝罪しました。
このことについて、橋下氏は「6月ならまだ総裁選も決まっていないし、参院選の前でもあるので、高市さんの支持者を“弾いた”というは合理的ではない気がする」としながらも「事務的なミスだったらもっと早く表に出しておけばよかったのではないか」と指摘しました。
【橋下徹氏】「メディアに言うかどうかは別として、自民党の中できちっと共有しておく。今になってこれが事務的なミスだとかこういうことになるから問題なわけです」
投票日は4日に迫っています。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年10月1日放送)