熊本県が整備を計画している空港アクセス鉄道についてです。県は、30日の県議会で、空港アクセス鉄道が乗り入れるJR豊肥線の一部複線化など機能強化を図り、熊本空港と熊本駅を39分で結ぶ快速列車を運行することなどを明らかにしました。
空港アクセス鉄道をめぐっては、9月22日の県議会の代表質問で、木村知事が当初410億円と見込んでいた概算事業費について、物価上昇などの影響から約610億円に膨らむ見込みであるとしました。
さらに約60億円をかけ、空港アクセス鉄道が乗り入れるJR豊肥線の輸送力強化を図る考えを示しました。
一方で、費用対効果を示すいわゆる〈B/C〉についても、当初よりも0.18ポイント増え、「1.21」に上昇。県は「十分、事業性がある」としています。
30日の県議会特別委員会では県側が、豊肥線の輸送力強化について説明。東海学園前駅では列車の行き違いができるようにするほか、武蔵塚駅や原水駅では上下線の列車の同時進入ができるようにすることなどの計画を明らかにしました。
その上で、空港アクセス鉄道について『快速列車』の運行を発表。熊本空港と熊本駅の間を1日61本、運行させる列車の約2割に当たる14本を『快速列車』とし、所要時間は普通列車より9分短い39分で結ぶ計画を示しました。
【前川 收 委員】
「610億円に上がった部分をどう負担していくか、(3分の1はJR九州で)残りの3分の2の事業費をどうやって負担していくか」
【県空港アクセス鉄道整備推進課 宮原 尚孝 課長】
「国によるインフラ整備交付金やアクセス鉄道の整備補助でも最大限の補助をいただきたい」
【高島 和男 委員】
「普通は48分、快速は39分。『わずか』なのか、9分『も』なのか。快速は39分より短縮できるのか、できないのか」
【県空港アクセス鉄道整備推進課 宮原 尚孝 課長】
「ピーク時間午前7時から9時までを想定していて、それ以外の時間で1日14本、片方向に走らせる。39分と標準的な時間を書いているが、試算上、速い便もある」
また、熊本空港をめぐっては、昨年度の国際線の利用客が47万人を超えるなど、過去最多を更新する一方で、ことしに入って中国の上海線や香港線、韓国のソウル線について運休や欠航などが相次いでいます。
ことし7月から欠航が続く香港航空は「日本への旅行需要の著しい減少が続いている」として、10月からの冬ダイヤの運休を29日熊本県に連絡したということです。
熊本県は、運休を決めた各航空会社と運航再開に向けて協議を行っていて、熊本空港を運営する熊本国際空港とも連携して、国際線の同時受け入れを現在の2便から3便に増やすために、チェックインカウンターなどの機能強化を進めています。