「岡山」という名前のルーツにつながる街並みを伝統的な構図の絵で後世に残します。倉敷市に住むイラストレーターが、その制作プロジェクトを発表しました。キーワードは飛ぶ鳥の視点です。

(千葉知里記者)
「あちらに見える岡山城。私たちになじみのある「岡山」という地名ですが、実はこちらの神社にルーツがあると言います」

城が建つ「岡山」と呼ばれる丘に平安時代に創建された岡山神社。戦国時代に城が建つと今の場所に移されました。その後、城下町は岡山という名前で繁栄し今の岡山市へとつながります。

(岡山神社 久山信太郎宮司)
「城下町ができる前から存在し、数百年のまちの移り変わりを見つめてきた神社、神様だと思う」

そんな神社で9月30日、倉敷市のイラストレーター、中村慎吾さんらが、プロジェクトを立ち上げました。神社を中心とした赤枠のエリアについて、今と戦前の街並みを絵にしようというのです。

(イラストレーター 中村慎吾さん)
「(歴史を知って)岡山神社を描くことが岡山を描くことになるのではと思った」

不動産会社に勤める中村さん。街の文化や空気を伝えるためには、地図のような俯瞰した視点が必要だと考えました。そこで思いついたのが「鳥瞰図」です。

約50年前の倉敷市を描いたこちらの絵のように、上空を飛ぶ鳥が見た景色として表現するのが特徴です。かつて観光地図などに採用されたほか、古くは屏風絵などにも用いられてきました。

(イラストレーター 中村慎吾さん)
「パーツの大小に変化がなく、整然とどこまでもまちを書くことができる図法。自分に一番合っていると思った」

9月、「岡山芸術交流」が始まり、観光地として注目を集める岡山の城下町。神社でも、この取り組みが街の魅力を知るきっかけになればと期待を持っています。

(岡山神社 久山信太郎宮司)
「神社は地域とともにある。まち並みを歩いて楽しんでもらえるエリアになれば」

観光地として大きく羽ばたくきっかけとなるか。クラウドファンディングを活用しながら制作を進め、完成した「鳥瞰図」は神社に奉納するということです。

岡山放送
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