西予市城川発の絶品スイーツ

秋の味覚の王様、栗。
愛媛県は栗の生産量が全国3位という栗王国だ。

その中でも西予市城川町から生まれた栗スイーツが、県内外の人々の舌を魅了している。

「栗のおいしさは私たちが一番知っている」。
その自負が、至極の一品を生み出す原動力となっている。

至極の一品を生み出す原動力
至極の一品を生み出す原動力
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新たな栗スイーツが誕生

くるくると渦を巻くおなじみのこの姿。栗スイーツの代表モンブランに、栗のペーストをたっぷり使った濃厚で贅沢な味わいのテリーヌ。

松山市のいよてつ髙島屋で販売が始まったのは、愛媛の栗を使ったオリジナルスイーツ。

若い女性:
「ここがおいしいって聞いてた」

夫婦:
「豪華、おいしそう」

目にも美しい栗スイーツの数々。この商品が生まれたのは、愛媛県西予市の山あい、城川町だ。

栗の名産地、城川町
栗の名産地、城川町

栗のスイーツ販売一本で勝負している

名護谷希慧アナウンサー:
「こんにちはー、おじゃまします」

出迎えてくれたのは栗スイーツを手がけた菊地沙也加さん(36)。
城川生まれの菊地さんは、高校卒業後、地元の道の駅で働いていたが、3年前に一念発起。地元産品を扱う会社の代表を引き継ぎ、栗のスイーツ販売一本で勝負している。

メニークエスト菊地沙也加代表:
「こちらが一番人気の城川オリジナルモンブランでございます」

名護谷希慧アナウンサー:
「看板メニューですね、きれいですね、やっぱりモンブランって見た目からそそられますよね」

さっそく登場した、モンブラン。城川町の栗農家のおかあさんたち2人とひとつひとつ手作業で作っている。

店舗はないが、オンラインショップやイベント販売での人気が口コミで広がり、年間3万個を売り上げる大人気商品だ。

城川オリジナルモンブラン
城川オリジナルモンブラン

優しい栗のほわんとした甘さを感じて

名護谷希慧アナウンサー:
「入れた瞬間、ふわふわなのがわかりますね、いただきます。うわ!栗そのもの!すごい、濃厚ですね」

菊地沙也加さん:
「濃厚だし、優しい栗のほわんとした甘さを感じていただけると思います」

名護谷アナウンサー:
「上品な甘さ、全然しつこさがなくて、これ一口いれたらここに栗が、みえますか?」

優しいマロンクリームで包んだのは、甘さ控えめなクリーム、ごろっと大きな渋皮煮。

土台のタルトはチーズの酸味がきいた生地を重ね、一口ごとに様々な味を楽しめる。

甘さ控えめなクリーム、ごろっと大きな渋皮煮
甘さ控えめなクリーム、ごろっと大きな渋皮煮

私たちは栗の味を知っている

菊地沙也加さん:
「この季節、秋の時期になれば栗ひろいをして家庭で栗の料理を楽しんで、冷凍していたものをお正月にも味わったり、誰よりもわたしたちは栗というところで身近に育ってきて、栗の味を知っていて、というところがスイーツづくりに生かされているんじゃないかなと思います」

名護谷希慧アナウンサー:
「栗の味、一番知っている?」

菊地沙也加さん:
「と、自負していますが(笑)。」

栗のおいしさはわたしたちが一番知っている。それが、菊地さんたちの最大の強みだ。

「と、自負していますが(笑)。」
「と、自負していますが(笑)。」

「和」全開のスイーツも開発

看板メニューのモンブランをちょっぴりアレンジ。

抹茶好きにはたまらない!栗ペーストに抹茶パウダーを混ぜ込み、一口ほおばると小豆とのコラボも楽しめる「和」全開のスイーツも開発した。

なめらかな舌触りの栗のペーストに、カットした渋皮煮をちりばめた濃厚で贅沢なテリーヌ。

2023年、全国のバイヤーが集う審査会で特別賞を受賞した逸品だ。

濃厚で贅沢なテリーヌ
濃厚で贅沢なテリーヌ

まさに今、収穫のピークを迎えている

そんな自慢の味を生み出す城川の「栗」に会いに行った。

菊地沙也加さん:
「三瀬くんおるかなー」

栗農家の三瀬喜平さん。

菊地さんとは中学・高校の同級生。取材に伺った2週間前は栗の落ち始めでしたが、城川では、まさに今、収穫のピークを迎えている。

三瀬喜平さん:
「こういったのを手で割ってとりますね」

名護谷希慧アナウンサー:
「わーきれいですね」

三瀬喜平さん:
「すごいきれいです、落ちたてですから」

名護谷希慧アナウンサー:
「きらっきら、つやっつや、光ってますもんね」

山間部にある城川町は、朝夕の寒暖差に加え、土壌の水はけがよく冬場のせん定作業など、細かな手入れによって大きくて、身が詰まった上質な一粒に仕上がるのだという。

三瀬喜平さん:
「これとか割れそうできれい」

菊地沙也加さん:
「うわ!きれいやね、それは」

栗農家の三瀬喜平さん
栗農家の三瀬喜平さん

農家さんが減るのと同時に栗の収穫量も減ってます

その一方で厳しい現実も…

三瀬喜平さん:
「農家はすごいペースで減ってますね、農家さんが減るのと同時に栗の収穫量も減ってますし」

三瀬さんの話では、城川町の栗農家の平均年齢は76歳と高齢化が進んでいて、後継者不足が大きな課題だ。

城川町の人口は15年前の4107人(外国人含まない)から、現在は2642人(外国人含む)と、3分の2までに減っていて、町内には空き家も目立っている。

菊地沙也加さん:
「今までの当たり前がなくなってしまったら、ちょっと怖いなとかいやだなとかどうしようかなという危機感も一緒に。わたしができることは、農家さんが大切に育てたものを外に、一人でも多くの方に発信していくっていうのが、大事な仕事かなって思っている」

城川町の栗農家の平均年齢は76歳と高齢化
城川町の栗農家の平均年齢は76歳と高齢化

城川の栗のことを、城川というまちのことを

城川の栗のことを、城川というまちのことを知ってもらいたいと、菊地さんは全国に届けられるオンラインショップを中心に栗スイーツを販売している。

いよてつ髙島屋で始まった販売。
「城川町からお持ちしています、おいしい栗のお菓子」

城川への思いを込めて期間限定で始まった松山市での販売。菊地さんはこの日に合わせて新たな商品を用意していた。

菊地沙也加さん:
「栗産地だからできるフィナンシェを作りたいなってところで、栗のペーストをたっぷり使用した栗餡をしのばせたバターの濃厚な香りと栗の風味、優しい味を楽しんでいただけるフィナンシェに仕上げております」

栗いっぱいのフィナンシェ
栗いっぱいのフィナンシェ

スイーツが栗の産地・城川とお客さんとの縁をつなぐ

「ぜーんぶ栗のまちで作ってきた商品になります」

スイーツが栗の産地・城川とお客さんとの縁をつなぐ。

伊予市からの夫婦:
「今ちょうど通って城川って見たので、母の地元が城川だから気になりました」

埼玉からの親子:
「妻が砥部出身で、ここの栗がとてもおいしいと言っていたので」

娘:
「モンブランとか大きくておいしそう、食べるのが楽しみです」

菊地沙也加さん:
「城川町の栗そのものがいつまでも地元に愛されて、全国にお届けできるように、一人でも多くの方に知ってもらって、食べてもらって興味をもってもらってていうのが、一番の願いです」

城川に思いをはせながら、甘い味わいで秋を感じてみてはいかが?

知ってもらって食べてもらって興味をもって
知ってもらって食べてもらって興味をもって
テレビ愛媛
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