2024年に島根県内の男性などが現金をだまし取られた特殊詐欺事件に関連して、いわゆる「出し子」として現金を引き出したベトナム国籍の男に対し、検察は29日に開かれた裁判で、懲役10年、罰金300万円と押収した現金約5075万円の没収を求めました。
ベトナム国籍の男は、2024年7月から12月にかけて島根県内の男性などが現金をだまし取られた特殊詐欺事件に関連して、いわゆる「出し子」として他人名義のキャッシュカードを使い、現金約7090万円を引き出し盗んだとして窃盗の罪に問われています。
松江地裁で開かれた9月29日の公判で検察は、「被害額が非常に高額で、組織的、常習的犯行の一環であり、大胆で悪質」と指摘。
懲役10年、罰金300万円と、被告のアパートから押収された現金約5075万円の没収を求めました。
一方、弁護側は、被告は初犯であり、被害者に返済する意思があること、また引き出した現金が詐欺被害によるものだと知らなかったと主張、情状酌量の余地があるとして執行猶予付きの判決を求めました。
判決は、10月24日に言い渡されます。