尾花沢市で、県内初となる「AIデマンド交通」の運行が始まった。これは、決まったルートや時刻表にしばられず、利用者の希望に応じて運行できる交通サービスで、いわゆる交通弱者への助けになると期待されている。
29日尾花沢市で開かれたのは、AIデマンド交通・「のらっしゃい」の出発式。
これは、AI=人工知能を活用した乗り合い交通。
仕組みは、こう。
利用者が電話やアプリを使って、乗り降りする場所や時間を予約すると、複数の利用者の需要に合わせAIが最も効率的なルートを導き出して運行するというもの。
今回は実証実験として、尾花沢市がタクシー会社に運営を委託し、試験的に1台が導入された。
「のらっしゃい」は、10月1日スタートで、料金は一律300円。
乗り降りができるポイントは、尾花沢市中心部のバス停はもちろん、公共施設やスーパー、さらには徳良湖周辺など、従来のバスと比べ3倍に当たる「90カ所の乗り場」が設定されている。
尾花沢市によると、人口減少によって市営バスの運営が厳しくなったことや、運転免許を返納した高齢者などいわゆる交通弱者が増えたことを背景に、必要な時だけ稼働し、移動ルートも自由なAIデマンド交通の試験導入を決めたという。
(尾花沢市・結城裕市長)
「どれくらいの人が利用するか、実験し改善点も市民から提案してもらい本格的に運行していきたい」
尾花沢市は、「のらっしゃい」の実証運行を1年間行い、結果によって2026年度以降増便も検討するとしている。