2024年12月、北九州市のファストフード店で中学生2人が殺傷された事件。異例ともいえる8カ月間に及ぶ鑑定留置を終えた44歳の男が、殺人などの罪で起訴された。

突然、未来を閉ざされた被害者

事件が起きたのは2024年12月14日の夜。

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北九州市小倉南区のファストフード店で、店に入ってきた男が突然、当時、中学3年生の男女2人を狩猟用ナイフで襲い、中島咲彩さん(15歳)が死亡、男子生徒が重傷を負った。

その後、殺人などの疑いで逮捕されたのは、近くに住む平原政徳被告(44)だった。平原被告は、警察の調べに対し「2人と目が合って笑われ、ばかにされたと思った」などと供述した。

一方で、被害にあった男子生徒は「全く知らない人に刺された」と話していて、警察は平原被告が一方的に2人を狙ったとみている。

近くに住む人は「なんて言っているのかは分からないが、とにかく脅すような怖い声で怒鳴っている」と平原被告の日常について話す。

トラブルを度々おこしていた被告

事件前、自宅で奇声を上げるなど、トラブルを度々おこしていたという平原被告に対し、検察は精神状態を調べるため鑑定留置を2回実施。期間は異例ともいえる8カ月間に及んだ。

鑑定留置が長期間に及んだ原因を上原総合法律事務所の上原幹男代表弁護士は「2人の医師から鑑定結果を出してもらう場合は、捜査機関としてはより慎重な判断を必要としている。異常行動があるのは、はっきりしているので、犯行に与えた影響が、どのようなものなのかはっきりさせる」と話す。

鑑定結果などを受けて刑事責任能力を問えると判断した検察は9月26日、平原被告を起訴した。

中学生2人が殺傷され社会に大きな衝撃を与えたこの事件。裁判に向けて大きな区切りを迎えた。

「悲しく悔しい気持ちでいっぱい」

そして、平原被告の起訴を受け、亡くなった中島咲彩さんの父親がはじめてコメントを発表した。

「咲彩は、何が起こったかも分からず、どれだけ痛くてつらくて、嫌な思いをしたかと思うと、可哀想で今でも涙が止まりません」

「事件さえなければ、咲彩は高校1年生として、家族や友人と一緒に楽しい日々を送っていたと思うと、悲しく悔しい気持ちでいっぱいです」

「今後このような無差別で未成年が被害に遭うような事件が二度と起こらないよう、被告人には最も重い刑罰を希望したいと思います」

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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