毎日の習慣として行うオーラルケアは、おくちの健康を守り、そして全身の健康を守ることにもつながっています。特に0歳から6歳までに「おくち」の環境を整えておくことが一生の健康に関わるといわれており、サンスターはお子さまの成長に重要なこの時期を"おくちのゴールデンエイジ"と定義しています。 その第一歩として重要なのが、「歯みがき」。
2025年秋、サンスターのこども向けブランド「SODATECO(ソダテコ)」から発売されたオーラルケアの新製品について、開発を担当した大江と若瀬が製品開発の裏側を語りました。
――今回「SODATECO(以下ソダテコ)」のオーラルケア製品のラインアップを拡充するにあたり、ブランドとしてどのような思いや戦略があったのでしょうか?
大江:「ソダテコ」は2020年に誕生したブランドで、子どもの"将来のカラダづくり"を見据え、お子さまの成長に重要な0~6歳の「おくち」と「おなか」の環境づくりに着目。この時期に身につけたい習慣づくりをサポートする製品を提供しています。
今回オーラルケア製品のラインアップを大幅に拡充するにあたり、子育てや子どもの健康に関する親御さん達の真の悩みを探るため、約半年間にわたる徹底した調査を行いました。表面的な困りごとではなく、なぜそう思うのかをとことん深掘りしたところ、多くの親御さんが自分の子ども時代の体験を踏まえて子育てをしていることが分かりました。例えば「親が仕上げみがき等、歯のケアをあまり気遣ってくれなかったので、むし歯だらけになってしまった。だから自分の子どもには絶対に同じ思いをさせたくない」「親が仕上げみがきをしっかりしてくれたおかげでむし歯が少ないんですよ。だから、自分の子どもにもしてあげたい」といった声です。
「子どもの頃に親にしてもらってうれしかったこと、してほしかったことを、親になった今、我が子にしてあげたい」。ソダテコはそんな親御さんの願いに寄り添いたいと思っています。
【仕上げみがきジェル】「ファースト・ハミガキ」に込めたこだわりとは?
――今回の新製品は、従来のこども向けオーラルケア製品と比べてどんな特徴があるのでしょうか?
若瀬:こども向けのオーラルケア製品は「むし歯予防」に焦点を当てたものが多いのですが、私たちは子どもの将来を見据え「未来のために、今しかできないオーラルケアを。」という新しいコンセプトのもと、オーラルケア習慣をサポートする新製品を開発しました。
まず、仕上げみがきジェルですが、生後6ヶ月から使える「ファースト・ハミガキ」として位置づけています。小さなお子さまに使っていただく製品なので、お子さま本人や親御さんにも「うれしい仕様」を最優先にこだわりました。
具体的には、食品使用成分とフッ素のみで構成し、研磨剤、着色料、香料を一切使用していません。うがいができない年齢のお子さまが、飲み込んでしまった時のことも考えて設計しています。
――容器のノズル部分が特徴的ですが、どのような狙いがあったのでしょうか?
若瀬:今回、2023年に改定されたフッ素濃度のガイドラインに合わせ、ハミガキのフッ素濃度を950ppmにしました。そのうえで0〜2歳児の推奨使用量である「米粒サイズ」が容易に出せるよう、1.5mm径の細口ノズルを採用しています。フッ素濃度が高くなったからこそ、使う親御さんの不安を減らしたかったんです。
さらに、お子さまのキャップの誤飲を防ぐため、キャップが簡単に外れないヒンジ式を選択しています。この容器を実現するために、新たな取引先を見つける必要があり、パッケージチームとも何度も検討を重ねました。
また、ジェル自体の粘度も、ハブラシに染み込みすぎず、かつ歯の表面に塗りやすい絶妙な硬さを研究開発チームと共に追求しています。
――外装パッケージデザインにも工夫があるそうですね。
若瀬:包装仕様についても、お子さまが口に入れてしまう可能性を考慮し、フィルム包装ではなく紙箱包装を採用しました。ただ、今回の開発にあたり社内の子育て中の女性社員にヒアリングしたところ、紙箱パッケージのため中身が見えず、チューブの形状や実際の大きさが分からないと不安との声も。そこで裏面に実寸大の絵を入れて、サイズ感と形状が分かるよう工夫しています。
また、「研磨剤・着色料・香料不使用」といったポイントは、分かりやすく表示してほしいという声から、裏面ではなく表面に大きく記載しました。
――なるほど。様々なこだわりはすべて「お子さまや親御さんへの思い」につながっているんですね。同じ時期に使い始める仕上げみがき用ハブラシは、どのような点を重視して開発されたのですか?
大江:仕上げみがき用ハブラシの特徴としては、親御さんが仕上げみがきしやすいよう、お子さまの小さなおくちもすみずみまでみがきやすい超コンパクトヘッドとスリムネック設計です。
また、「こども向けのハブラシはすぐ毛がひらく」というご意見から、毛がひらきにくい2倍長持ち毛※を採用しています。仕上げみがきジェルとぜひセットで使っていただきたいですね。
※自社ナイロン毛比
【こども向けハブラシ】社内で反対意見もあった「星型ガイド」を貫いた理由とは?
――つづいて、こども向けハブラシの特徴である「星型ガイド」は、どのような発想から生まれたのでしょうか?
大江:こども向けハブラシの開発での課題は、「どうやって正しい持ち方を覚えてもらうか」でした。従来のこども向けハブラシにも指当て部はありましたが、気づかれにくく効果的ではありませんでした。そこで、お子さまにも分かりやすい目印が必要だと考え、ハンドル部分に穴を開けるアイデアが生まれました。この「星型ガイド」によって、パームグリップ(握り持ち)、ペングリップ(鉛筆持ち)の正しい持ち方が自然に習得できるよう設計しています。星の位置に親指を置くことで自然に正しい持ち方に導きます。
また、ハブラシの設計には「人間生活工学」を採用しています。これは使用者の手(指の長さ、手幅など)や口腔内(歯並びのアーチの長さ、幅など)の寸法・形態に基づいた設計の人間工学に加えて、実際の使用のしやすさを考慮した設計手法です。
――星型にくり抜くという発想は斬新です。ただ実際に製品化する上で難しい点もあったのでは?
大江:おっしゃる通りです。この星型ガイドの実現は困難を極めました。研究部門からも製造現場からも反対の声が上がりました。穴を開けることでハンドルの強度が低下する懸念があったからです。また、星型の穴を開けることは初めての試みであったため、星型をきれいに見せることも苦労した点です。
それでも諦めなかった理由は、正しいハブラシの持ち方を身につけられるよう、お子さまにも分かりやすい目印をつけることが重要と考えたからです。研究や製造現場と討議を重ねてハンドルの素材や星型の形状調整で課題を解決しました。
――数ある形の中から、なぜ「星型」を選ばれたのでしょうか?
大江:「小さいお子さんたちは星が好きで、男女問わず使える」というチームのママ社員の満場一致の意見でした。「サンスターだから星型?」という話もでたり(笑)丸やハートなど他の形も検討しましたが、星が付いたハブラシならお子さんたちも喜んでくれて、自ら歯みがきをしたいと思ってくれるのではないかと。実際にサンプルを使ったお子さんたちからの評判もよく、「星がかわいいでしょ!とハブラシを嬉しそうに見せてくれた」「星マークに指をあてるのが楽しそうだった」といった親御さんからの声もいただきました。
さらに、ヘッドの部分にもこだわりがあって、むし歯になりやすい奥歯にも届きやすく、みがきやすいよう8度の傾斜をつけています。また、3-5才用ハブラシには「ハミガキ目印毛」という青い毛束を配置し、この部分にペーストを付けることで3~5歳のフッ素ハミガキの推奨使用量(グリーンピース大、約5mm)が感覚的に分かる設計にしました。
――ハブラシの色の違う毛束はデザインではなく、ペーストの使用量の目安のためだったんですね。ジェル、そしてハブラシのいずれも「お子さまが使うため」のこだわりや、オーラルケアを習慣化するための工夫が盛り込まれていることがよくわかりました。
それでは、最後に子育て中のパパ・ママたちへのメッセージをお願いします。
大江:お子さまへのオーラルケアについては、今だけでなくぜひ将来のことも考えて取り組んでいただきたいですね。大変かもしれませんが、幼少期はお子さまの将来の健康にとっても大事な時期。今だからこそできるわが子への一生物の贈り物になるはずです。
若瀬:大江の言葉とは少し矛盾するように聞こえるかもしれませんが、ともすれば親御さんたちは小さなわが子に対してつい頑張りすぎることも。第一子だとなおさらですよね。ですから私たちの製品を使って少しでも楽をしていただきたい。難しいことは考えずに使っていただくことで、子育ての一助になれたらうれしいです。
共に開発に携わった生産統括部パッケージ部大久保 杏子(左)と研究開発統括部オーラルケア研究開発部 大野 太暉(右)
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