気象庁が発表した長期予報によると、この冬の天候は、気温・降雪量ともに「平年並み」の予想です。近年は温暖化の影響もあり、高温、少雪傾向と予想されることが多いなか「平年並み」との予想。これは、冬らしく厳しい寒さになるということです。村田光広気象予報士が解説します。


南米ペルー沖の海面水温が低い「ラニーニャ現象」傾向

冬の天候を決めるポイントは、二つの海面水温にあります。
 
まず一つは、南米ペルー沖の海面水温です。南米ペルー沖の海面水温がいつもより高くなる現象が「エルニーニョ現象」で、日本では暖冬になる傾向があります。


反対に、いつもより低くなるのが「ラニーニャ現象」です。日本は、寒さが厳しくなる傾向があります。ラニーニャ現象が発生すると、上空を流れる偏西風が日本付近で南に蛇行する傾向があり、寒気が南下しやすいのです。
   
今は、平常の状態に近いのですが、徐々に水温が下がっていて、ラニーニャの現象の傾向が見られます。

つまり、この冬は寒気の影響を受けやすくなります。過去にも、ラニーニャ現象の傾向がみられた冬がありました。
 
2011年12月から2012年2月にかけて冬型の気圧配置が強まり、雪の降る日が多くなりました。福井市では、1月25日に1日で34センチの降雪を観測。短時間で積雪が増えました。シーズンの最深積雪は、福井で61センチ、大野127センチ、今庄163センチなど日本海側を中心に大雪となりました。


日本海の海面水温が高い⇒局地的大雪の可能性

そして、冬の天候を決める海面水温の二つ目が、日本海の海面水温です。今年の日本近海の海面水温を平年と比較すると、猛暑の影響で平年より2度から3度高くなっています。この状態が、冬の前半にかけて続きそうです。
 
海の温度が高ければ、暖かい冬になるというわけではありません。暖かい海の上に強い寒気が南下してくると、海上と上空の温度差が大きくなって雪雲が急速に発達します。つまり、局地的に大雪になることがあるのです。
 
大雪になると、私たちの生活に大きな影響が及びます。寒さや大雪に備えておくこと大切です。

福井テレビ
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