ハンセン病に対する差別と偏見、そして、療養所の表と裏を捉えた写真です。合志市にある国立療養所菊池恵楓園 歴史資料館で、写真家の黒崎 彰さんの作品展が開かれています。
【菊池恵楓園 入所者自治会 太田 明 会長代行】
「『療養所の表と裏を表現してほしい』と言ったんですよ」
ハンセン病の元患者たちが生活する国立療養所菊池恵楓園。患者の無断外出を阻んだ『隔離の壁』や、問題行動があった患者を閉じ込めた『監禁室』など、ハンセン病に対する差別と偏見の〈歴史〉と療養所の〈今〉を捉えたモノクロ写真が並んでいます。
シャッターを切ったのは、写真家の黒崎 彰さんです。
これまでに全国に13ある国立療養所を撮影してきました。
【写真家 黒崎 彰さん】
「一度来たんですけど、なかなか一度では、いい写真は撮れないものですから、2度目の挑戦で、ようやく完成したという感じです。(全国の)各療養所は雰囲気が全く違うんですよ。去年4日ほど滞在して、これなんか朝4時半ぐらいに起きて撮っているんですけど、そういう変化をつけながら今回は撮りました」
約40点の作品が仕上がり、今回はその中から28点が展示されています。
1度目の撮影のとき、当時、入所者自治会の副会長だった太田 明さんは「もっと恵楓園らしさを出してほしい」と黒崎さんに頼んだそうです。
【菊池恵楓園 入所者自治会 太田 明 会長代行】
「立派な写真を撮ってもらいたい一心で撮り直し。一緒に現場に行きました。恵楓園の現状をストレートに表現してくれたんじゃないですかね。医療の場であり、生活の場であるわけですから、このモノクロから感じ取っていただいて、療養所というのはどういう所かというのを知っていただければ。この療養所の中で一生、生活しなきゃならない人の人生というものも考えてもらえば、ありがたいと思います。ずっと後世に残すことができると思います」
国立療養所菊池恵楓園の〈歴史〉と〈今〉。黒崎 彰さんの写真展は歴史資料館で、2024年2月28日までです。