佐賀県警の科捜研で不正なDNA鑑定があった問題で県弁護士会が22日臨時の会見を開き、県警や公安委員会などに説明を求める申し入れを行う意向を明らかにしました。
【佐賀県弁護士会 出口聡一郎会長】
「第三者委員会の設置は必要ないなんていうことを軽々に早急に話をされているというところに非常に問題があるのではないかという風に考えております。組織的なやはり欠陥がある、ということは明らかだと思いますがそれを改める姿勢をまったく持っていないと。これは非常に問題なのではないか」
佐賀県警の科捜研で不正なDNA鑑定があった問題をめぐり先週開かれた県議会で佐賀県警の福田英之本部長が「第三者委員会の設置は必要ない」との考えを示したことを受け、県弁護士会は22日臨時の会見を開きました。
会見で県弁護士会の出口会長は「本件は組織的欠陥によるもので第三者による客観的な調査を実施すべき」と訴えました。
県弁護士会は先週プロジェクトチームを立ち上げ、県警や公安委員会、検察などに対し、捜査や指導内容などの説明を求める申し入れ書を提出する予定であることを明らかにしました。
また、県議会に対し第三者委員会の設置を求める請願の提出を要請する考えも示しました。
県弁護士会はDNA型鑑定による証拠が不当なものだったのではないかなど、心当たりがある人からの相談も受け付けるとしています。
【キャスター】
佐賀県警は「公判に影響がなかった」と強調していますが、問題の本質はそこではありません。
県弁護士会によりますと当事者であるはずの弁護士や元被告人などには報道以外の情報提供もないということです。
警察は、公権力を使って捜査を行ない裁判所がその証拠に基づき有罪・無罪の判断をします。証拠をそろえる過程で不正があった、7年間わからなかったとなると日本の司法制度そのものへの信頼だけでなく、「科学は正しい」という前提も揺らぎ指紋や薬物など他の捜査にも影響を及ぼしかねない重大な事案です。
まずは徹底した調査と情報開示で信頼回復の一歩にしてほしいものです。