仙台市バスについて。昨年度の路線別の収支状況は44路線全てで赤字となりました。全ての路線での赤字は5年連続です。
仙台市交通局は、2018年度から100円の収入を得るために費用がいくらかかるかを示す営業係数を公表していて、100を超えると赤字路線となります。
昨年度の営業係数は、全ての路線の平均で164となりました。
前の年度より1ポイント改善したものの、44全ての路線で5年連続の赤字となりました。
利用者数も1980年度には1億1000万人を超えていましたが、その後、年々減少傾向に。昨年度はピーク時の3割にあたる3453万人にまで落ち込みました。
路線全体の赤字額はおよそ39億円となっていて、仙台市交通局は経営状況の改善を図るために、来年10月から市バスの運賃を全体で15パーセントほど引き上げる方針です。
地域経済の専門家は赤字が続くことで、市バス以外の行政サービスにも影響がでる恐れがあると指摘します。
七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト
「公共サービスとはいえ、赤字が続いていいということにはならない。税金の負担や財政の悪化に繋がるため、改善させていく必要がある」
では、どうやって経営を改善するのか。専門家は急速に発達するAI技術の活用も検討すべきだと話します。
七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト
「乗りたい人は、例えばアプリを登録して、AIが最適経路を判断して運行することで、多くの人を乗車させることができるといったものが有効な施策ではないか。今は無駄が多いと言えるので、いろいろな取り組みによって、経営の改善をしてくと赤字改善は十分に可能」