越前市の南西部には、県指定史跡の古墳群がある標高135メートルの茶臼山があります。地元住民が紙芝居を制作しその魅力を伝えています。どんな山なのか、地元の人に案内してもらいました。
越前国の神山村に一つの山がありました
ひょうたんを切って横にしたような形をしています
山の名前は茶臼山
これは、越前市の小学校で披露された紙芝居「きらり茶臼山」の一節。子供たちに山の魅力や歴史を知ってもらおうと地元住民でつくる「茶臼山を守る会」が地元で紙芝居の読み聞かせをしている団体に依頼して作られ、全国紙芝居コンテストでも入賞しました。
古墳の中に造られた石室に光が差し込む幻想的なシーンでは、みな熱心に聞き入ります。
紙芝居を見た児童は「気になったところは、洞窟の中」「洞窟に光が入るところが心に残っている」「茶臼山を調べてみたいと思った」と関心が高まった様子。
「茶臼山」とは一体どんな山なのか。守る会のメンバーに案内してもらいました。
登山口の「ふるさと公園」にはポルトガル語で書かれた看板もあり、越前市が国際色豊かであることを感じることができます。
ゆるやかな遊歩道を登ること約10分。南峰と北峰に分かれる分岐点に。
北峰へ進むと、待っていたのは心臓破りの階段でした。登りきると、お地蔵様や金毘羅神社が見えてきます。付近には県指定史跡の古墳群があります。
しばらく進むと、紙芝居に登場する石室に到着。メンバーによると「10月くらいにちょうど日が石室に入るので、そういう時に中に入ると神秘的」なのだそう。
石室に太陽の光が差し込むのは、半年に一度くらいの出来事だといいます。この石室は古墳時代に豪族をまつったとされ、歴史的にも学術的にも目されています。
さらに北峰には、鐘撞堂もあります。鐘の音色とともに越前市の町や山々を見渡すことができます。
守る会の田中和英会長は「茶臼山の魅力は気軽に登れて展望がいいこと。さらに古墳という魅力がある。南峰は北峰より高くより貴重な遺跡が出るのではないかと思われるが、これまでに正式な発掘がされていない。調査ができればより魅力が出てくるのではないかと楽しみ」と話します。
隠れた魅力が眠っているという南峰。調査が進むと、貴重な“お宝”が見つかるかもしれません。
<茶臼山>
・登山口は「ふるさと公園」
・駐車場は公園から200メートルほど離れた場所
・北峰までは20分弱