秋雨前線の影響で大気の状況が不安定となり、太平洋側を中心に非常に激しい雨が降っています。
今の状況について、気象予報士の川原浩揮さんと見ていきます。
川原浩揮気象予報士:
今降っている雨を示す気象庁のレーダー画面を見ていきたいと思います。
紫色のエリアは1時間に80mm、今ちょうど都心の東南の辺り、台場の上辺りに紫色が来ていますが、活発な雨雲がちょうど東京の南東エリアから千葉県に差し掛かってゆっくり動いている状況です。
この下は先ほどから記録的短時間大雨情報が連続で出されるような大雨になっていて、先ほど実際に測った数字ですが、目黒区緑が丘で1時間に134mmという、なかなか見ない数字が出ていて、冠水を越えて土砂災害を含めた危険な降り方のため十分に注意していただきたいと思います。
青井実キャスター:
目黒川でも氾濫危険情報が出されていましたね。
川原浩揮気象予報士:
降った雨が川に流れ込んでいくと時間差での増水もあり得ます。
この気象庁のホームページは、「ナウキャスト」と検索するとスマートフォンでもパソコンでもご覧いただけます。
今はパソコンで見ていますが、画面の右上に雷マークがあり、これを押すと雷の発生した数が表示されます。
驚くべきは5分間で発生している雷ということで、この直前5分間で発生している雷がこんなにあります。
四角い記号は落雷として観測された雷、×印が空中で発生した雷ということです。
ですので、この雨雲の真下にいらっしゃる方は恐らく相当、雷が鳴ったり、近くに落雷がしたりという状況が起きていると思います。
不気味な黒い雲が近づいてきたら、頑丈で安全な建物に避難していただきたいと思います。
青井実キャスター:
さっき中継で降ったりやんだりと言っていましたが、そういうことが起きると。
川原浩揮気象予報士:
そうですね。もうちょっと画面を広げると、どうしても大きな積乱雲の部分に注目をしてしまいがちですが、西側に小さな積乱雲が新しく湧いてきているんです。
このナウキャストは風向きを調べることもできて、画面の上の方の矢印を押していくと、風がどっち方向に吹いているかという、向こう1時間の動きを再生することができます。
これを見ると、東の方に雨雲が動いていくのが分かります。
青井実キャスター:
千葉の皆さんはさらに気を付けていただきたいという状況になるということですね。
川原浩揮気象予報士:
実は今、晴れていると中継の報告をいただいた場所も、このあと積乱雲がまた大きくなってくるかもしれないということで、警戒していただきたいです。
青井実キャスター:
いま大丈夫だと思っていても、川は突然水位が上がる可能性がありますから、やんだあとも注意が必要ということですね。
川原浩揮気象予報士:
そうですね。降っている場所の真下はいきなり水位が上がってくると思いますし、上流部で降った水が流れてくるのと合わせて川の周りで降った雨が流れ込んでくる。いろいろな作用で川の水位が上がっていきますので、今見えている水位が、例えば雨がやんでいるからといって安心できない状況はあります。
宮司愛海キャスター:
天気が不安定になっていると思うんですが、原因としては、気温なのか、水蒸気量が多いからなのか、その辺りはどう見ればいいですか?
川原浩揮気象予報士:
今言っていただいたのは全て当てはまっていて、暑いことで、海もかなり熱を持っていて、湿った空気がどんどん供給されるのが1つあります。
それから、今、私たち外に出ると夏しか感じないと思いますが、実は今、列島の上に秋雨前線がいるんです。
秋雨前線に向かって今、湿った空気がどんどんと入っています。
今は関東でゲリラ雷雨が起きているのでお伝えしていますが、雷注意報自体は、東北を除いてほとんど列島の全域に出ていて、非常に不安定になっているため、どこでいきなり雷を含めたゲリラ雷雨が起きてもおかしくない状況です。
青井実キャスター:
羽田空港の午後4時現在の様子が映っていますが、雨がカメラに打ち付けていますね、かなり強く。
川原浩揮気象予報士:
恐らく交通に影響が出てもおかしくないレベルですね。横殴りの風が雨と併せて吹いていて、先ほど羽田は瞬間で29.8メートル。ほぼ台風ともいえるくらいの強さの風が瞬間的に吹いたんですが、先ほど実は台場も同じような状況にあったんです。
青井実キャスター:
今日のスペシャルキャスター金子さんにも伺いたいですが、金子さん、夕方の時間帯、帰宅時間帯でもありますけど、ちょっと心配ですね。
SPキャスター・金子恵美氏:
下校時間にもぶつかっていて、目黒区では校内待機となっていましたけど、降ったりやんだりって、このあとどのくらいに帰れるか親御さん心配されますが、どうですかね?
川原浩揮気象予報士:
実は不安定な状況が夜にかけて続きそうなんです。
雨のレーダーを見ると、西から次々と流れ込んでくる状況が続いていますので、雨がやんだタイミングは恐らく、今のうちに帰ろう、今のうちに移動しようというタイミングになるかと思いますが、次が来るかもしれないと今日は考えていただいた方がいいかもしれないですね。
ここからはフジテレビ報道局・災害対策チームの百武弘一朗記者と河川について詳しく見ていきます。
災害対策チーム・百武弘一朗記者:
ご覧いただいているのが、東京・世田谷区の野毛を流れている河川カメラの映像です。
東京都と気象庁は「氾濫危険情報」を出して警戒を呼びかけていますが、先ほどから映像を見ていると、今(午後4時現在)は「氾濫危険水位」と書かれた看板が出ていますが、15分ぐらい前には隠れてしまっていました。今、一気に引いた状況です。
さかのぼると、午後2時ごろを境に急激に水位が上がったという印象があります。
氾濫した場合、まず浸水の恐れがある地域、世田谷区などを流れていますから、決して川の近くには近づかないようにしてください。
青井実キャスター:
見に行かないようにしていただきたいと思います。
災害対策チーム・百武弘一朗記者:
次にご覧いただきたいのが、品川区で撮影をしている目黒川の映像です。
東京・品川区と目黒区を流れていて、東京都と気象庁は同じく午後2時45分くらいに氾濫危険情報を出しました。
氾濫危険情報が出ている川の近くにお住まいの方は、まず上の階に上がって安全を確保するようにしてください。
特に建物の地下は浸水に警戒が必要です。特に地下のあるビルも多い地域ですから。
別のカメラを見ると、氾濫危険水位がかなり下がってきたんですが、この川は川幅が狭いため急に上がります。
下がる時も急に下がるのですが、まだ警戒は必要な状況が続いています。
青井実キャスター:
目黒川は世田谷、目黒、品川区にまたがりますから、上流で降った雨が下に流れてくる可能性があると。
災害対策チーム・百武弘一朗記者:
危険はまだ残っています。次は石神井川です。
石神井川はかなり幅広く流れていて、東京だと西東京市や練馬区、板橋区、北区を流れているんですけれど、現在の様子は少し下がってきましたが、平常時と比べると、かなり川の水かさが増しているという状況です。
ここまで紹介した川は大体午後2時ごろを境に急激に水位が上がりました。
青井実キャスター:
先ほどのは多摩川水系だったり、今の石神井川は荒川水系だったりするので、いろんな川で危険水位が上がっている状況ですね。
災害対策チーム・百武弘一朗記者:
東京都内、多摩川とか荒川とか大きな川がありまして、そこの支流の川、小さな川が氾濫の危険がまた高まっている状況です。
気象庁が運営している「キキクル」を見ると、今ご紹介した石神井川、目黒川、他にも妙正寺川や野川、仙川、この辺りが今、氾濫危険情報が出ているところです。
場所を解説すると、妙正寺川に関しては中野区と新宿区、杉並区を流れています。
野川、仙川に関しては、多摩川水系にあたるんですけれど、世田谷区、三鷹市、調布とか府中とかこの辺りを広く流れている川になります。
ここまで東京都内に注目してご覧いただいていましたが、浸水のリスクがどのくらい高まっているのかを見ると、東京だけではないんです。
川崎市など神奈川県内もかなり危険な状況にあるというのが分かります。
青井実キャスター:
この黒色というのが、災害が切迫している警戒レベルであるということですね。
災害対策チーム・百武弘一朗記者:
すでに災害が発生しているリスクがある。なかなか黒色っていうのは東京都内、神奈川県で出ることありません。この辺り、かなり危険度の高さを示しているように思います。