OHKのカメラが収めた岡山・香川の懐かしの映像で、ふるさとの歴史を振り返ります。今回は1985年(昭和60年)9月11日に倉敷市で撮影された映像です。
厄除けの寺、岡山藩主の祈願寺として知られ、年間約40万人の参拝者が訪れる倉敷市児島の由加山蓮台寺。
この日、境内にある「十一面観世音 観音堂」に納められた「十一面観世音菩薩」を別の建物(「権現堂・奥の院」とみられます)に移すための法要が営まれました。
約1300年前、日本三大権現の一つ「瑜伽大権現」を現在の由加山に迎えた行基菩薩が、光を放つ香木より彫りだし、まつられたとされる「十一面観世音菩薩」。
映像は寺の住職を先頭に、白い装束をまとった人々が厳かな様子で観音堂に入っていく様子から始まります。観音堂の中には白い布に囲まれた「十一面観世音菩薩」があり、その搬出に先立ち、法要が営まれました。
その後、僧侶の手によって観音堂から運び出され、参列者の付き添いのもと「十一面観世音菩薩」が向かった先は、由加山蓮台寺境内の別の建物。
入口で「十一面観世音菩薩」を傾けながら、慎重に中に納めていきます。「十一面観世音菩薩」は白い布に囲まれたまま丁寧に鎮座され、改めて法要が営まれました。
その後「十一面観世音菩薩」は2012年に新しく建てられた本堂に移され、現在も広く信仰を集めています。