学歴詐称問題を巡り、不信任決議を受けた伊東市長が市議会を解散しました。
疑惑が浮上してから3カ月も経とうとしていますが、決着までもう少し時間がかかりそうです。
今回、市長が説明した解散の理由とは。
学歴詐称問題で、市議会から不信任を突き付けられた静岡・伊東市の田久保眞紀市長。
辞職・失職か、それとも議会の解散か。決断のリミットが11日に迫る中、市長が選んだのは…。
10日午前10時前、田久保市長は市議会の中島議長らが待つ議長室へ。
そして、「令和7年9月10日。議会を解散するため通知をいたします」と書面を読み上げました。
書面を手渡された中島議長は、険しい表情を浮かべていました。
田久保市長は、一礼すると足早に立ち去りました。
伊東市議会・中島弘道前議長:
この大義なき解散について、本当に私も怒りしかない。多くの市民も納得のいくものではないと思う。
その後、取材に応じた田久保市長は、解散の理由について「大変重要な議会においての審議や採決が、議会初日をもって放棄されてしまったという事実は、事実として冷静に受け止め判断し、これは改めて広く市民の皆さまに信を問うべきであると」と延べました。
議会は初日に不信任案を可決し、審議を放棄したと説明した田久保市長。
報道陣からの「『辞職』という選択はなかったのか」との質問に対しては、「解散・辞職という2つの選択肢があった。当初から、結論ありきで進めていたわけではございませんので」と答えました。
記者からの質問が続く中、会見は打ち切られました。
議会解散を受け、失職した議員は猛反発。
伊東市議会・井戸清司前議員:
議会を悪者にするような発言をしながら議会解散というのは、まったく憤りを感じる以外、何事でもないです。
伊東市議会・青木敬博前副議長:
(田久保市長は)“自分ファースト”だなと。
伊東市では、40日以内に市議選が行われることになりました。
前回の選挙では約4500万円の税金が使われました。
また、新たな議会が再び市長の不信任案を可決した場合、田久保市長は失職。
市長選が行われることになり、市政の混乱が年明けまで続く恐れもあります。
市長の下した議会解散の決断に伊東市民からは、「はっきり言って市長さんに辞職していただきたかった。(選挙で)税金も使われるし」「学歴詐称だとか、市民の人って何も言ってないですよ。そんなことどうでもいい。とにかく言ったことを平気で約束を破るでしょ。そこなんですよ!」などと憤りを見せる人もいました。
一方で、「全員が全員、田久保さんの非難してるが、市議会の人たちの方が自分(として)は非難されるべきであって」と、田久保市長を擁護する声もありました。
混乱はいつまで続くのか。
伊東市民からは、「一度選ばれた市長ですし、選んだ市民の責任もあると思うので、仕方ない出費かな」といった声もありました。