今年度、宮城県南三陸町で水揚げされるイセエビが、前の年度に比べて7倍を越えています。こうした中、9月、町として初めてとなるイセエビの生息数調査が行われています。
9月9日夜、南三陸町の志津川地区です。調査はイセエビの活動が活発になる夜間に行われました。
南三陸町自然環境活用センター 阿部拓三研究員
「イセエビがいるのは調査ではわかっているんですけども、じゃあどこにどういうイセエビがどれぐらいいるかという、量を評価する調査は一度もやられたことがないので、それを歌津・志津川・戸倉で調査を行うのが今回の目的です」
南三陸町では9月中をめどに、町内3つの地区でイセエビの生息数を調査することにしています。町がこうした調査を行うのは初めてだということです。
調査方法は海底に長さ100mのラインを沈めて、その周辺にいる個体数を数える方式です。南三陸町では今年度、イセエビの水揚げ量が急増しています。
県漁協志津川支所によりますと、今年度水揚げされたイセエビは、9月10日までに約1.5トン。今年度はまだ半年経っていないにも関わらず、前年度の7倍を超える水揚げとなっています。
南三陸町自然環境活用センター 阿部拓三研究員
「5匹ですね、100mのライン上に5匹なので、それなりに数はいる。きょう見たイセエビも2~3年くらい経っていると思われるので、ここ2~3年の海水温の暖かさによって、加入してきた個体だと思う。ただ今後、黒潮の北上がなくなると、幼生の加入がなくなって、そうすると資源としては減っていく一方になる。今後の黒潮の影響次第かなと思う」
南三陸町では今回のデータを、イセエビの資源管理などに生かしたいとしています。