熊本にある陸上自衛隊・健軍駐屯地に、敵基地の攻撃も可能な長射程ミサイルが配備されることを受け、9月9日に木原稔前防衛相が自民党所属の熊本県議会議員を集め、勉強会を開いた。木原氏は「健軍駐屯地からミサイルが発射されるわけではなく、敵から狙われることもない」と述べ、県民に丁寧に説明してほしいと呼びかけた。
健軍駐屯地に新たに配備されるミサイル
自民党県連で9月9日に開かれた安全保障に関する勉強会には、木原稔前防衛相と九州防衛局の幹部らも出席し、健軍駐屯地に配備される長射程ミサイルについて説明した。

このミサイルは、台湾有事などに備える離島防衛の主力として政府が配備計画を進めているもので、『12式地対艦誘導弾』を改良した『能力向上型』で、ミサイルの迎撃にとどまらず、敵の射程圏外からも艦艇や基地を打撃できる能力を持つ。

防衛省はこの改良型のミサイルについて、すでに『12式地対艦誘導弾』の運用・整備能力を持つ健軍駐屯地に先行配備することを決め、8月に木村知事などに説明した。
「『専守防衛』の理念を超えない」
木原前防衛相は「健軍駐屯地にすでにある部隊の装備を更新するもので、新たな部隊を設けるものではない。我が国の『専守防衛』の理念を超えるものではなく、日本の抑止力を高め、相手の攻撃を躊躇させるための装備だ」と説明したという。

木原前防衛相は「健軍駐屯地からミサイルが発射されることはなく、決して健軍駐屯地が狙われるものではないと説明させていただいた。もし、これから不安を抱く人がいれば、それぞれ県議会議員の皆さんが丁寧に説明してほしい。そのための勉強会だった」と、今回開いた勉強会の意図を説明した。
(テレビ熊本)