記録的な暑さが続く2025年の夏。暑い時期の天敵といえば…「蚊」。猛暑の影響でその「蚊」にも、ある異変が起きているようだ。

まだまだ暑い日が続いているが、街の人たちはこの夏「蚊」に刺された?
東京・錦糸町で取材してみると…。
女性①:
刺されました。この前、(手を)刺されました。
女性②:
まだ刺されてないです。なんか年々いなくなっている気がする。
女性③:
あ~あまり刺されたことないし見てもいない。(2025年は)一度も刺されてない。ブーンとも聞いてない。
女性④:
全然、刺されてないです。

意外に多かったのが「この夏はあまり蚊に刺されなかった…」という声。実際に蚊が減っているということなのか?
蚊の生態に詳しい専門家、害虫防除技術研究所の白井良和所長に教えてもらった。

害虫防除技術研究所・白井良和所長:
本当に猛暑で気温が高くて雨も少なかったので、わかりやすく言うと“夏バテ”しているということになりますね
2025年の夏は、蚊にとっても過酷な環境が続き、蚊が“夏バテ”しているという。

白井所長によると、蚊は25度から30度の気温で動きが活発になる性質があるといいます。一方で、35度以上になると活動量が減り血を吸う意欲が減退してしまうという。
研究所が行った実験では、気温が24度の箱と35度の箱に蚊をそれぞれ10匹ずつはなし、中に手を入れると…

35度の箱の中では、まったく刺されませんでしたが、24度の箱では3匹の蚊に刺される結果に…。
ただ、この夏は蚊に刺されなかったからひと安心…というワケではない。

害虫防除技術研究所・白井良和所長:
9月にまた新しく成虫になる蚊、これについてはまだまだ若くて元気ですので、9月中旬から下旬ぐらいに蚊が増える可能性がありますので、注意が必要ですね。
猛暑が落ち着いてくるこれからが蚊の“活発化シーズン”だという。
実はその影響、すでにこんな場所にも及んでいた。
荻原慧枝ディレクター:
虫除けなどのグッズが売ってます。奥の方を見ると、蚊取り線香なども置かれています。

東京・荒川区のロイヤルホームセンター南千住では、9月に入ってから殺虫剤などの売れ行きが例年より増えているという。
これから蚊の本格的なシーズンとなる中、白井所長、どのような場所に注意が必要?
害虫防除技術研究所・白井良和所長:
家の周りに植木鉢の受け皿であるとか、木陰で植物が茂ってるような場所に潜んでいて、子供が公園で遊ぶ時とか、人を待ち伏せして刺してくる。

ヤブや草むらにいる「ヒトスジシマカ」は公園や住宅地に多く、早朝や夕方に活発化。日中も日陰で“待ち伏せ”していてるという。
では、刺されないために虫除けスプレーなどの使用はもちろんですが、ほかにどのような対策をすればいい?

害虫防除技術研究所・白井良和所長:
水たまりができるような場所を作ってる方がいるので、水たまりを裏返しにしたりなくしたりして発生源をなくす。服装の注意点として黒とか紺とか濃い色の服を着てると刺されやすいので、白とか黄色とかピンクとか、薄い色や明るい色の服を着ること。
さらに…

害虫防除技術研究所・白井良和所長:
うちわとかハンディーファンとかで自分に風を送っておくと(蚊の)体重が2㎎と軽いので吹き飛ばされる。そういった対策も有効ですね。
これから暑さも多少和らぎ、過ごしやすい季節となるが、蚊が活発化するピークは遅れてやってくる。油断せずにしっかりと対策をしていきましょう。
(「イット!」9月9日放送より)