「自分との戦い」愛媛の鉄人スイマーたちが頂点を目指す
全国から35歳以上のアスリートが参加する日本スポーツマスターズが今年、愛媛で初めて開催される。
他の競技に先駆け、9月6日から「水泳」が始まるが、地元からは世界新記録と日本新記録を持つ2人の鉄人スイマーが頂点を目指す。

しなやかさと美しさを兼ね備えたバタフライ
水面を切り裂くように力強く前へ!しなやかさと美しさを兼ね備えたバタフライを披露したのは松山市の只信ルミ子さん・61歳。
只信ルミ子さん:
「日常生活にない、自分の力を出し切って達成する記録とか、そういうところに魅力をすごく感じてます」
小学生から水泳を始め、高校時代はインターハイの出場経験もある只信さん。
長年競技から離れていたが、また泳ぎに打ち込みたいと今から12年前、49歳の時に再チャレンジ。世界大会に出場するまで腕を磨いてきた。

目標タイムに向けて『自分との戦い』
只信さんは今年、2つの快挙を成し遂げた。3月の全国大会では4×100mメドレーでなんと世界新記録。今年6月には千葉で50mバタフライの日本新記録を樹立した。
只信ルミ子さん:
「この賞状が6月に個人で『日本新記録』を出した認定書です。そしてこちらが3月に出した、リレーで『世界新記録』」
只信さんは普段、事務の仕事をする傍ら、週に3回プールへ足を運び、1回の練習で約1700m泳ぎこむ。
只信ルミ子さん:
「やっぱり集中して泳ぐと結構ハードになりますね。自分の目標タイムがあるからそれに向けての練習だから『自分との戦い』です」
只信さんを指導する熊谷治さん:
「世界にトップクラスの負けず嫌い。だから頑張れるんだろうと思うんです」

只信さんを指導する熊谷治さんもマスターズに出場
この只信さんを指導する熊谷治さん・77歳。実は熊谷さんも今回のマスターズに出場する。
熊谷さんは過去世界マスターズで金メダルなどを獲得。「200メートル個人メドレー」で金メダル、「50メートルバタフライ」で銀メダルなど、去年の日本スポーツマスターズでは200m個人メドレーで初優勝に輝くなど、力強い泳ぎで実力をつけてきた。
熊谷治さん:
「週3回から4回以上はやらない。必ず体の休憩を入れる。『やり過ぎない』ことが一つのベースですね」

心強いサポーターも
2日間の日程で、個人とリレーそれぞれ6つの種目に出場する只信さんと熊谷さん。
「体づくり」も重要で、スイムと合わせ、筋トレにも励んでいる。2人には心強いサポーターも。
只信ルミ子さん:
「私の娘が理学療法士をしておりまして」
熊谷治さん:
「(ケアしてもらうと)レースには全然可動範囲が違う」
大阪で理学療法士をしている只信さんの娘・実鈴さん。大会のたびに只信さんと熊谷さんのトレーナーとして、ストレッチのケアなどを行っているそうだ。
只信ルミ子さん:
「娘のケアのおかげでタイムも出てると。私の中ではすごく信頼している」

地元開催に燃える二人の意気込みは
今年初めて愛媛で開かれる日本スポーツマスターズ。
地元開催に燃える二人の意気込みは。
熊谷治さん:
「一生懸命頑張ってきた成果を地元の人に見てもらえるっていうことは、こんなに幸せなことはないかなとは思っています。最高年齢者に近い年齢で出場するので、年齢に負けずに、引き継ぎ連覇ができるようチャレンジしていきたいなと思っております」
只信ルミ子さん:
「できれば自分の日本記録更新できるのが1番目標なんですけど、リレーもありますから、少しでも地元の成績に貢献できるように自分の順位も上げるし、リレーでも頑張って点数を取っていきたいと思っています」
