2025年8月8日、鹿児島県内は霧島市や姶良市などで大雨に見舞われた。それから1カ月、住民1人が死亡し400戸以上の住宅が浸水被害に遭った姶良市を取材した。そこで見えてきたのはボランティアのニーズが増え続けている状況だった。

記録的大雨による被害の爪痕
記録的な大雨により住宅の裏山が崩れ、30代女性が亡くなった姶良市蒲生町。1カ月が経過し、被災現場の住宅部分は撤去されていたが、依然として片付け作業が続いていて、家にある思い出の品や必要なものを手作業で分ける地道な作業が行われていた。

この大雨で通行止めとなったのが姶良市加治木町にかかる国道10号線の網掛橋だ。姶良市と霧島市をつなぐ重要な橋で、この日は護岸の改修をするための準備が行われていた。川底にある橋の土台の下は深さ3メートルほどえぐられ、作業員がたまったがれきや流木を取り除く作業が続いていた。復旧の見通しはまだ立っていない。


土砂災害対策と復旧作業の進展
井上彩香キャスター:
姶良市平松です。土のうが積まれている奥の山から土砂崩れが起きて、その土砂が平松一帯を襲いました。地元の人によりますと、まさにきょう(9月8日)、国の予算で砂防ダムを造るという連絡があったそうです。
最も大きな浸水被害が出た姶良市平松。大雨から1カ月たった9月8日、ようやく床下の土砂の撤去作業が始まった場所もある。
姶良市の社会福祉協議会と連携して8月10日から復旧作業に加わっているのがピースボート災害支援センターだ。作業にあたっていた同センターの川村勇太さん。
「汚れが広がらないようにある程度乾燥させた後に我々が作業を進めている。家屋に被害が出てしまっているが、それと同様に心がすごく傷ついている。お話ししていく中で解決する、お手伝いすることを一番心がけている」と語った。

増え続けるボランティアニーズ
これまでは親族の家に避難していて、ようやく今から家の片付けに取りかかるというケースもあり災害ボランティアを要望する市民からのニーズは増え続けているという。
姶良市社会福祉協議会の長尾貴史さんは「身内の息子さんや娘さんのところに身を寄せて今やっと(家に)帰ってきて、これから家財道具を運び出したいとか、これまでは家族で何とかやっていたが、炎天下の毎日の作業だったので体力的にも精神的にも疲労が蓄積していく中で、ボランティアにお願いできたらという声がある。引き続きボランティアの皆さんにはぜひご参加頂いて被災者の方に寄り添った形で引き続き支援ができたら」と話した。

停電や断水が解消しても被災地に思いを寄せ続けることが、大雨から1カ月たった今、改めて求められている。
被災地では引き続きボランティアを募集している。霧島市では国分総合福祉センターで水・金・土・日曜日に、姶良市では市の社会福祉協議会で火・木・土・日曜日に受け付けている。被災地域の復旧には、今後も継続的な支援が必要となっている。