重粒子線と呼ばれる放射線を使ったがん治療を、北日本で唯一行っている山形大学医学部の公開セミナーが、9月8日に岩手県盛岡市で開かれ、参加者が最先端の医療に理解を深めました。
このセミナーは山形大学医学部が東北各県で毎年開いているもので、8日は県内外から約330人が参加しました。
山形大学医学部では2021年から重粒子線と呼ばれる放射線を使った先進的ながん治療を北日本で唯一実施しています。
基調講演では、山形大学医学部附属病院の小藤昌志放射線治療科長が、この治療法の特長を紹介しました。
一般的なエックス線治療との違いについては、「放射線をがんの病巣により集中的に照射でき、がん細胞を死滅させる効果が強い」と説明しました。
山形大学医学部附属病院 小藤昌志放射線治療科長
「重粒子線の場合は余計なところには(放射線を)当てずに、病気の所だけにうまく当てることができる」
その上で、「治療期間も短く、副作用も比較的軽い」と語りました。
参加したがん患者は「非常に参考になった。(高度な)治療を受ける方法があるんだということで、すごく明るく過ごせると思った」と話していました。
山形大学病院で2025年6月までに重粒子線の治療を受けたがん患者は2400人余りで、岩手県からも約100人が治療を受けているということです。