石川県の伝統工芸品である「九谷焼」。中でも「赤絵細描」と呼ばれる作品の展示会が高知大丸で開かれています。
針の先ほどしかない極細の筆で描かれる、繊細で緻密な模様。
九谷焼作家・米久和彦さん:
「一筆一筆に対する思い、どういう方に見ていただけるか。今できる最高のものをやり続けていくしかない」
石川県在住の九谷焼作家・米久和彦さんです。
5日から高知大丸で始まった米久さんの作家活動35周年を記念した展示即売会には、花瓶や香炉、皿など約100点の作品が並んでいます。
【赤絵風車文 花瓶】値段275万円(税込)
花瓶に描かれているのは風車です。1センチから2ミリの極小のものまで、数えきれないほどの風車を書き込んだ作品です。
米久さんの作品は「赤絵細描」と呼ばれる技法を使っていて、赤の顔料と金を使い小さな模様を一筆一筆描いています。時には半年もかかると言い、まさに気の遠くなるような作業です。
【赤絵更紗小紋 葡萄図飾香炉】値段93万5千円(税込)
江戸小紋と呼ばれる細やかな模様と、おおらかな印象のブドウを組み合わせた作品です。
赤の顔料は一種類しか使っていませんが、筆の細さや色を重ねる回数、水の量などで濃淡や色味を変えることで赤に様々な表情が生まれています。
九谷焼作家・米久和彦さん:
「一度ご覧いただくとこんなところにも描いてあるとか、いろいろな発見があると思う。遠くでフォルムをご覧いただいて、なおかつより近づいていただいて、ルーペでのぞいていただいて、そういう楽しみ方もあるのでそれぞれの楽しみ方でご覧いただけたら」
会場には、繊細な模様が美しいマグカップや杯など普段使いができる作品の他、35周年を記念して青色を使った作品なども展示されています。
この展示会は9月15日まで高知大丸で開かれています。