2日の秋田県内は断続的に雨が降り、各地で川が氾濫するなどして秋田市、五城目町、仙北市の一部に「緊急安全確保」が発令された(午後9時半時点で継続中)。また能代市では3時間降水量が観測史上最大となったほか、8地点で9月の観測史上最大を記録した。雨は3日昼前にかけて降り続く見込みで、未明から朝にかけて線状降水帯が発生する可能性があり、厳重な警戒が必要だ。
県北部中心に川の氾濫相次ぐ 3市町に緊急安全確保
2日の秋田県内は前線や暖かく湿った空気の影響で、雷を伴った非常に激しい雨が降り、県の北部を中心に大雨となった。
大館市では午前7時ごろ、視界が悪くなるほどの強い雨と風が吹いた。

能代市では午前9時半までの3時間に105ミリの雨が降り、観測史上最大を記録した。このほか各地で3時間に降った雨の量は、大館市で93ミリ、北秋田市比立内で87ミリ、鹿角市で86ミリなど、8地点で9月の観測史上最大を記録した。
この雨の影響で川も氾濫した。

五城目町では午前9時11分、内川川が氾濫したほか、近くを流れる富津内川の水もあふれた。近くの住人は、あふれた川の水を見て「水が引いても床下や床上に浸水している」と肩を落としていた。

富津川地区では事業所が浸水し、車の迎えを待つ人の姿が見られたほか、歩いている人の膝くらいまで水が押し寄せていた。
県のまとめでは、五城目町と上小阿仁村の住宅25棟に床上や床下浸水の被害が確認されている。
このほか、秋田市の新城川、能代市の檜山川、三種町の三種川、北秋田市の羽根山沢川、上小阿仁村の小阿仁川、仏社川などが氾濫した。
住民は「コメが収穫の時期に入るから、もう少し後に降ってくれれば良かったが残念だ。みんな冠水している」と話していた。
川の氾濫で、秋田市の下新城・上新城・飯島地区の2339世帯4597人、五城目町の内川・富津内地区の337世帯741人、仙北市では桧木内川に氾濫の恐れがあるとして西木町上桧木内の185世帯378人に、それぞれ「緊急安全確保」が出されている(2日午後9時半時点)。
8月の大雨被害からの復旧途中 住民の不安色濃く
8月の記録的大雨に続いて再び被害に襲われた仙北市西木町上桧木内地区。片付け作業もまだ終わっていない中での大雨に、住民は不安を隠せない。

高齢女性:
先月の大雨でみんな池の中に埋まってしまって、その泥を寄せてもらったらまたこの雨。これ以上きてくれなければいいなと思っている。
避難してきた高齢夫婦:
前回の雨でちょっとやられて、さっきまで家にいたが、水がまた来るといけないので2人で避難してきた。
桧木内川近くの紙風船館では土のうを積む人の姿も見られ、地区では不安な夜が続きそうだ。
「線状降水帯」発生のおそれも 3日昼前にかけ厳重警戒を
雨はこのあとも降り続く見込みで、3日午後6時までに予想される24時間降水量は沿岸・内陸ともに180ミリ。
また、3日未明から朝にかけて線状降水帯が発生する可能性も高まっている。発生した場合は局地的に雨量が増える見込みだ。
これまでの雨ですでに地盤が緩んでいるところがある。3日昼前にかけて土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に引き続き厳重な警戒が必要だ。
(秋田テレビ)