今週は防災週間ということで「イット!」では、防災にまつわる取り組みなどについてスタジオ、中継などを交えて紹介しています。
2日は、首都直下地震を想定した非常にリアルな防災を体験しながら学べる施設「そなエリア東京」から、木村拓也キャスターが中継でお伝えします。
「そなエリア東京」では、首都直下地震が起きたらどのように避難をしていけばいいか、どんな景色が広がっているか疑似体験できます。
ここは商業施設を模しているんですが、ビルから出ますと、すさまじい惨状が目の前に広がっています。
ジオラマを使った震度7の想定です。
東京都心では、このような被害が起き得るであろうというものが精巧に表現されています。
室外機が壊れていたり、あるいは右側には電柱が倒れてしまっていると。
電柱の下には、車が突っ込んでしまっている状況が見受けられます。
その隣側、信号機が地面に落ちてしまっています。
稲光というか光があるんですけど、注意していただきたくて、ポイントとしては垂れた電線には触らないようにしましょう。
漏電する可能性もありますし、純粋に火災の心配もあります。
まず近づかないということが大事です。
それから隣には、傾いてしまったビルがあります。
このビルの下には車に、割れたガラスですね。
高層ビルも多いですので、上からガラスが降ってくる恐れがあります。
それからさらに建物が崩れる心配もありますし、足元には割れたガラスが散乱している可能性も十分あり得ます。
ですので上も下も、ともに注意をしなければならないというのが重要になってきます。
それから目の前に車があります。
車を置いて避難することも考えなければいけません。
ただ、緊急車両が通ることができるスペースを確保しないといけないです。
ですから車を動かせるように車の鍵は中に入れたまま、あるいは差しっぱなしにするというのが一般的な鉄則といわれています。
さらにもうひとこと加えて言うならば、車検証とか自賠責の証明書とか今後、保険であったりとか、あるいは個人情報もたくさんありますので、その書類は持って避難したほうがいいと先日、勉強しました。
そして首都直下地震においては、どの時間で起きるかも分かりません。
この想定では、冬の夕方の時間帯を想定しているんですけど、例えばコンビニエンスストアの中にいる可能性も十分考えられます。
その際に人間の本能として、落ちてくる棚を支えてしまう習性があるそうですね。
ですので、棚に触れない、棚から離れるということを頭に留めていただきたいと思います。
それから棚から離れて買い物かごというか、かごを頭からかぶるだけでも頭を守ることができますので、しゃがんでかごをかぶるということも覚えていただければと思います。
それから都心での揺れになりますと、駅です。
駅にバーッと人が集まる可能性があります。
アナウンスメントが流れて、その誘導に従っていけばいいというのもあるんですけど、どうしてもたくさんの人が特に階段やエスカレーターに滞留してしまって、バタバタと倒れてしまう。
いわゆる群衆雪崩というのが懸念されています。
人の流れに1回入ってしまうと身動きが取れなくて、人の流れにのまれてしまうというのもありますし、あとはいわゆる圧死、圧迫されてしまう恐れがあります。
ここ1つ覚えていただきたいのが、両腕を組んで胸のスペースを空けるのが有効とされています。
ここのスペースが少しでも開いているだけで、自分が呼吸ができるスペースが生まれるということです。
それからもう1つ、火災です。
この首都直下地震においては、木造家屋も多い場所でありますと大規模な火災というのが想定されます。
火災旋風といって熱風が来る可能性もありますし、私たちが思っているよりもはるかに火の手は速いんですね。
ですから火が見えた際にはすぐに避難をすると。
遠くても避難をすることが大事になります。
倒れた家屋の中で「助けてください」と人の声がありました。
火の手が迫り、目の前に人もいます。
非常に難しい選択だと思いますが、青井さんはどうされますか?
青井実キャスター:
助けに行きたいという気持ちは出てしまうでしょうね、その時。
もちろん同じような気持ちなんですけど、一般的な鉄則としては1人で無理に助けに行かないということが挙げられます。
まずは「助けてください!誰かここに人がいます!」というのを大きな声で叫ぶこと、救急隊員などを呼ぶことが先決です。
あとは自分の命を守ることですね。
これは見捨てるというような行為では決してありません。
災害時においては、まず自分の命を守っていくということが最大公約数でたくさんの人を救うために大切になってきます。
助けに行って2次被害に遭って、2人とも助けられない状況になってしまうことが一番避けなければいけないことを、人との葛藤ともに覚えておいていただきたいなと思います。
「そなエリア東京」はいわゆる初動の被害だけではなく、様々な支援などが行き届く最低限の時間、72時間を想定されています。
今、避難場所という場所に来ました。
いわゆる広域避難場所であれば公園とか学校がありますが、そういった部分を含めて体験することができます。
避難所とかも体験することができます。
首都直下地震は、30年以内に70%の確率ともいわれています。
いつ起きるか分からない。
でも何か対策をしないと、備えは何から…と考えますよね。
もちろん物でもいいんですけど、まずいったん一度足を踏み入れて、怖い、不安という疑似体験をする。
この気持ちが最初の備えの一歩なのかなと思います。