富山地方鉄道が沿線自治体からの支援がなければ、「廃線」とする方針を示している立山線について、立山町は国の交付金を活用し、存続させる方針を示しました。

県も、立山黒部アルペンルートへの観光路線として存続を後押しする考えです。

6期連続の赤字が続いている富山地方鉄道は、立山線の岩峅寺・立山間を沿線自治体からの支援がなければ、来年11月末をもって廃線とする方針を示しています。

県や立山町などが立山線の存続策を協議する1日の検討会には立山黒部貫光の見角要社長が初めて出席し、立山黒部アルペンルートの利用客が年間10万人利用する路線であるとして立山線の存続を訴えました。

これに対し新田知事は「観光路線として存続を目指す」とし、利用客の増加や運賃の引き上げなど増収を図るための策を検討していく考え示しました。

そして立山町の舟橋貴之町長は、立山線の存続へ国の交付金を活用する鉄道の再構築事業の適用を再来年度から目指し、取り組む方針を示しました。

山間部の斜面など、線路の安全対策も国からの支援を受け、強化したい考えです。

*立山町 舟橋貴之町長
「11月中には地鉄立山線の調査事業の中間報告をうける。それをうけて、令和9年度から再構築事業に入れるように準備にかかる」

この発言を受け12月にも立山線の廃止届を提出するとしていた富山地方鉄道の中田邦彦社長は「前向きな話」と歓迎する一方、提出を取りやめるかどうかはまだ判断できないとしています。

*富山地方鉄道 中田邦彦社長
「今まで具体的な話が全然なかったので前向きな話だと受けとめた」

検討会では再構築事業の具体的な内容を11月までに決定し、富山地方鉄道に示すことにしています。

富山テレビ
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