中央図書館の広島駅前への移転作業に向けて9月1日から「臨時休館」となります。
8月31日の休館前最終日に密着しました。
広島市立中央図書館。
最終日となった31日、朝から太陽が照り付ける中、開館時間の前から外で待つ人たちの長い列が…
【高校生】
「毎週日曜日に来ています。塾があいていないのでここに来て勉強しています」
Q:自習室も15日に閉まるが
「これから勉強を頑張っていかないといけないので、もう少し開いていてほしい」
【利用者】
「高校生の時から、20年くらい前からずっと利用している。勉強しようというモードになった時には。ここがなくなるのはさみしいです」
1974年に開館し、多くの市民に親しまれてきた中央図書館。
しかし、50年が経過し老朽化が課題に…。
建て替えなどの案もありましたが、広島駅前のエールエールA館が現在地よりも利用者増加を見込めることなどから「移転」することになりました。
今の建物は2029年度以降に取り壊される予定ですが、跡地の活用は決まっていません。
中央図書館は1日から臨時休館となり、自習室の利用は今月15日までです。
31日も多くの人が訪れ、本を手に取り、最後の日をかみしめていました。
【高校生】
「最後に図書館でこんな本借りたなとか、そういうのを考えながら最後の1日を楽しみに来ました」
【利用者】
「きょうで閉館ということでなんとしても来たいと思って。小学校3年生のころに母に連れられて初めて来たんですけど、それから家族で来たりとか、いろんな思い出が詰まっていて、とても残念」
中には、写真に収める人の姿も…
「この場所がなくなってしまうので…講座を聞きに来ていた。今年は被爆者の話とか。さみしいですね」
中央図書館に収蔵されている本はおよそ117万冊。
オープンスペースには入りきらないおよそ66万冊は、「書庫」に収められています。
読みたい本が書庫にある場合は、職員に探し出してもらう仕組みですが、移転後は現在よりも本棚が増え、自由に手にとれる本も増えるということです。
【広島市立中央図書館・篠原富子館長】
「50年長い間、ご利用いただいた皆様に心から感謝しております。新しい中央図書館ではみなさんにわくわく、いきいき、ゆっくり過ごしていただける図書館を目指しています。職員が一丸となって移転の作業に取り組んでいきたいと思っています」
広島駅南口のエールエールA館で新たなスタートを切る広島市立中央図書館。
利用開始は来年春の予定です。
《スタジオ》
図書館は心の豊かな社会を形づくる上では大切なものかなと思います。
50年以上の歴史に多くの方の思い出が詰まっいてますね。
【コメンテーター:JICA中国・新川美佐絵さん】
そうですね。商業施設への移転ということで賛否両論あったと思いますが、図書館は住民の方の大切な財産なので、新しい中央図書館も市民の方のニーズを汲んだものになっていってほしいと思います。
移転に合わせて子供向けのエリアが新設されるということで、児童向けの本が3万数千冊も加わるということです。