9月1日は防災の日です。
東広島市でも大勢の負傷者が発生したという想定で、けがをした人に優先順位を付けて治療するトリアージの訓練が行われました。
東広島市消防局では多重事故で33人がけがをしたという想定で訓練が行われました。
症状の程度で治療の優先順位を決めるトリアージです。
【けが人】
「首の後ろが痛いです」
【救急隊員】
「左手左足動きません。赤タグで」
「赤色のタグ」は治療の緊急度が高い「重症患者」。
救急隊員はけがの程度を4色で分類したタグを使い、治療の優先順位を素早く的確に判断しなければいけません。
【辰已キャスター】
「この方は赤タグの人。同じ色のシートに運ばれてきました。
何人いるかという状況が集約されモニターに反映されている。同じ情報が医療機関にも共有されている」
今回で12回目となるこの訓練は近くにある東広島医療センターと初めて連携して行われ、重症者の人数や容態、他の医療機関に受け入れ可能な人数などの情報をコミュニケーションツールを使い、リアルタイムで共有します。
東広島医療センターはこの情報を元に、他の患者の診察を一時的に止めるなどすることで、けが人を受け入れる体制をいち早く整えることができるということです。
【東広島市消防局・大丸泰尚消防司令】
「多数の傷病者が発生した場合、患者の数が救急隊員の数を上回るので普段通りの対応ができません。トリアージを行って治療や搬送の優先順位を付けています。そうしないと助けられる人を助かられない」
■スタジオ
【辰已キャスター】
きょう行われていた訓練隊員同士が声を掛け合う姿ですとか、非常に緊迫感があったんですけれども、きょうの想定のような多重事故や大規模災害など、傷病者が多い場合というのは、医療機関との情報共有、そして連携が大切になってくるということです。
治療の優先順位をつけるこのトリアージにも、その工夫がされています。
加藤さんちょっとタグを見てみてくださいね。
【加藤キャスター】
手元にに私にもありますけれども、これ、ちょっと見てみたら紙1枚なのかなと思ったら、こうペラッとめくれて複写式になっているんですよね。で、枚数も複数あって、さまざまな情報が書き込めるようになってますけど、これ、複写式になっているという理由があるんですか?
【辰已キャスター】
そうなんです。私も分からなくて聞いてみたら、考えてみると、患者さんっていうのは、現場から救急車に乗って、さらに医療機関に運ばれていくということで、移動していくということがあると思うんですけれども、そのときにこのように書いた情報を1枚ずつちぎることで、一度書いたものが、そのままそれぞれの現場に共有できるということで、このように複写式になっているということでした。
このような情報共有というのがもう1つありました。
きょうの訓練では、医療センターと「チームズ」というコミュニケーションツールを用いて連絡を取っていたんですけれども、この取り組みは西日本豪雨がきっかけで始まったそうです。当時は電話でのやり取りが多くて連携に時間がかかったので、このようにリアルタイムの情報を共有することで、患者さんの状態も分かる。そして病院ごとの状況も把握できるので、結果的に搬送が素早くできるということにつながるということでした。
災害の教訓というのが医療現場においても生かされているんだなというふうに取材を通して感じました。