大手商社の三菱商事などで組織する企業連合が、秋田県沖で進める洋上風力発電の建設計画から撤退したことを受けて、三菱商事の中西勝也社長が29日秋田県庁を訪れ、鈴木知事に「期待に沿えず申し訳ない」と謝罪しました。
中西社長は、29日午後1時50分過ぎに県庁を訪れました。面会の冒頭、中西社長は「きょうは時間いただきまして誠にありがとうございます。この度、洋上風力撤退という判断をし、秋田の皆さまの期待に沿える結果が出せず、それをまずお詫びしたくて参りました。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪しました。
中西社長は、3年前に開設した秋田支店は継続する考えを重ねて示し、これまで進めてきた地域共生の取り組みも続けていく考えを示しました。
これに対し、鈴木知事は「残念ながら撤退で、私もおととい会見を拝見していたが、誠に残念で遺憾という他はない。秋田は長い間、人口減少で経済低迷に苦しんでおり、再生可能エネルギーという秋田の資源を生かした千載一遇のチャンスだと、地元の官民をあげて大きな期待を寄せていました。大変な落胆というのが正直なところです。地域共生の話しをしていただいたが、これまでも取り組みをしていただいてました。こうなった以上、さらに力をお貸しいただきたいと思っております」と述べました。
報道陣には冒頭だけ公開され、10分余り会談しました。面会後、中西社長は「お詫びしたことについて大変厳しい言葉をいただきつつも、未来志向で新しいことにチャレンジしていくという激励もいただいたことは、大変心強くありがたかったというのが本音」と話しました。一方、鈴木知事は「謝罪のあいさつとしては私としては誠意は感じられた」と述べました。報道陣から「先行投資していた県内企業への支援をどうするか」について問われると、鈴木知事は「まず、これまでの取引の状況を全て把握していたわけではないので、この民間同士の取引がどういう状況になっているのか速やかに把握したいと思っている」とし、まずは県内企業の状況把握に努める考えを示しました。
事業を管轄する経済産業省では、武藤容治大臣が三菱商事が撤退を表明してから初めての会見に臨みました。武藤経産大臣は「日本を代表する企業として責任を重く受け止めていただきながら、地元の方々に対しても最大限の真摯な対応を行っていただきたい。撤退した3海域については、地元の意向を踏まえて再公募を速やかに検討していく」と述べました。その上で「事業環境が変化する中でも洋上風力プロジェクトが着実に実施できるよう、必要な制度を含めた事業環境の整備を進め、できるだけ速やかに再公募を始める」とも述べました。