田久保眞紀 市長の学歴詐称問題に関連して、事務手続きなどを調査している伊東市議会の百条委員会は8月29日に最終の会議を開き、「大学を卒業していたと勘違いしていた」とする主張は「到底成立し得ない」とした上で「通常の常識を持ってすれば勘違いが起こり得る状況ではなかった」との結論をまとめました。
伊東市の田久保眞紀 市長は実際には除籍だったにも関わらず、市の広報誌に「東洋大学法学部卒業」と記載していて、市議会では地方自治法に基づき強い調査権限を持つ百条委員会を設置し、事務手続きなどについて調査を進めています。
田久保市長の学歴詐称問題をめぐり、焦点の1つとなっていたのが“卒業証書”です。
田久保市長はこの問題が浮上した当初、自身の卒業を証明する資料として正副議長や一部の職員に“卒業証書”を見せていますが、東洋大学は8月6日にホームページを更新し、「本学学則では、卒業した者に、卒業証書を交付することとしており、卒業していない者に対して卒業証書を発行することはありません」と一連の問題を念頭に置いたと見られる公式声明を発表しました。
疑惑の“卒業証書”をめぐっては、田久保市長が6月26日に「前に(議長などに)見せているような卒業アルバムとか証書とか、そういった形になる。とりあえず手元にあるものは、そういう風にしていこうかなと思う」と7月2日の会見に持参することを明言しましたが、これまでに一度も公開されていません。
ただ、7月2日の会見では持参しなかった理由について東洋大学へ出向いたところ除籍と判明したことを挙げ、「卒業を証明するものとして機能しなくなってしまった」と述べる一方、卒業後に除籍されたとの認識を示し、同席した福島正洋 弁護士は「あれば普通に考えて偽物とは思わない」と強調しました。
また、7月7日には疑惑の“卒業証書”を卒業アルバムや上申書などと共に検察へ提出する考えを明らかにし、福島弁護士も「私の目から見てあれが偽物とは思っていない。絶対に出さないと突っ張っても良かったが、正々堂々すべて提出して司法の判断に仰ぐ」と口にしていましたが、いまだ実行に移されておらず、百条委員会から二度にわたって提出するよう請求されたものの、憲法で保障された自己に不利益な供述を強要されない権利を盾にいずれも拒絶しています。
こうした中、百条委員会は8月29日、「市の広報誌に虚偽の事項が掲載された件は田久保眞紀 氏による不当行為があったことが専らの原因であると判定する」とした上で、東洋大学に対して行った文書照会の回答や提出された記録、証人の証言などを基に、「田久保眞紀 氏が繰り返し強く主張していた『6月28日に初めて除籍、卒業していないという事実を知った』という点は虚偽と判定する。『大学を卒業していたと勘違いしていた』とする主張については到底成立し得ないという結論に至っている。通常の常識を持ってすれば勘違いが起こり得る状況ではなかった」との結論をまとめました。
井戸清司 委員長は「誠意を示すどころか市長としての職責を理解する様子を見せないまま、自己利益や腐心に終始するあまり、破綻した考えに至る者が市のトップとして現に存在すること自体、容認できるものではない」と述べています。
このあと、百条委員会は田久保市長の出頭拒否、記録の提出拒否、証言拒否、虚偽証言の4つについて刑事告発することを決め、9月1日に開かれる市議会9月定例会で決議され次第、即日、伊東警察署に告発状が提出される予定です。