多くの観光客が訪れる北アルプス・立山室堂周辺でクマの目撃情報が相次いでいることを受け、県や関係者による緊急の対策会議が開かれました。

環境省の管理官が常駐し、関係機関との連携や対応を強化することになりました。

会議には県と県警、環境省や立山町の関係者などが出席しました。

標高2450メートルの立山室堂周辺では、この夏、観光客の多いエリアでツキノワグマの出没が相次いでいます。

県警山岳警備隊によりますと、6月末から今月26日まで、室堂平を中心に、室堂山・浄土山の登山ルート沿いや雷鳥沢キャンプ場などであわせて23件の目撃情報がありました。

これまでに人身被害はありませんが、少なくとも成獣2頭・小グマ2頭が確認されているということです。

*県自然博物園ねいの里館長補佐 間宮寿頼さん
「もうしばらくクマの動きについては監視しながら人が『生息域』という認識をもってクマに対する準備をする必要がある。一番重要なのはごみをクマに覚えさせない」

県自然博物園ねいの里によりますと、立山一帯のクマは、通常、9月下旬ごろには
目撃情報が少なくなるということです。

会議では、来週から立山自然保護センターに環境省の管理官が常駐するなど、今後1か月ほど関係機関との連携や対応を強化することを確認しました。

*県自然保護課 朝山弘康さん
「室堂周辺でクマが登山道近くまで近寄っているなかなかない異常な状況。万が一興味本位でクマにエサを与えるとか室堂周辺でゴミを捨てるなどするとクマが人の食料に興味を持ってしまう。人に関心を持つようになる。クマの動き方が変わってしまう。それは絶対にやめていただきたい」

県は、クマを目撃しても近づいたり大声で叫んだりして刺激しないこと、食料やごみを放置しないことなどを呼びかけています。

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。