連日、全国各地で相次ぐクマの出没。
北海道・上ノ国町では、親子とみられる3頭のクマが悠然と道路を横断。

さらに神奈川・伊勢原市では、参道脇にある社をのぞき込むクマが出没。
天井付近にはハチの巣があったといいます。

クマは、夏休み明けで新学期を迎えた子供たちのすぐそばで目撃されました。
北海道・初山別村の中学校にクマが現れ、ハンターが発砲する事態となりました。

周辺では8月20日から3日間でクマの目撃情報が4件報告されています。

保護者は「家の前で遊ぶのもやめさせているし、家の中にずっといる状態だから外で遊ばせたい。早く解決してほしい」と話します。

村では、学校周辺に電気柵と防犯カメラを設置しました。

さらに、町の中心部でヒグマが目撃された江差町で行われたのは、クマの駆除訓練です。

模擬銃が使われた訓練。
生活圏で相次ぐクマの出没に警戒が続いています。

一方、クマらしき動物の目撃情報が相次ぐ長野・松本市。

27日、5つの小中学校で保護者による送迎や集団登校などの措置が取られました。

保護者は「身近で(目撃が)あると思わなかった。怖いなと正直思いました」「早く目撃されたクマが特定されて、見つかったらいいな。(子供は)怖がって、いつもとは違う感じで、『一緒に行こうね』という感じで」と話しました。

保護者から上がる不安の声。
もし登下校でクマが出没した場合、子供たちをどのようにして守ればよいのでしょうか。

専門家は、クマの対抗策となるのがクマ撃退スプレーを正しく使うことだといいます。

鳥獣対策コンサルタント・石名坂豪さん:
(クマ撃退スプレーは)鉄砲を持たない一般人にとって、身を守る最後の武器。見守り登校で保護者がいくら大人だといっても、全くの丸腰で目の前で子供が襲われそうになったときに、クマから子供たちを守れるんですかと。私が仮に見守り登校するなら、最低限でもクマ撃退スプレーを持つ。

カプサイシンなど強い刺激物をクマに噴射する撃退スプレー。

日本クマネットワークが作成した、撃退スプレーの使い方を教える動画があります。

風向きや天候などにもよりますが、確実にスプレーを当てるには、クマが5メートル以内に近づいてきた時に目と鼻を狙って噴射するといいとしています。

鳥獣対策コンサルタント・石名坂豪さん:
実際に私自身もクマに向かって噴いたことがあります。ちゃんとした銘柄の製品を正しい使い方で使えば、クマの攻撃を退けることができる。

専門家は、スプレーを選ぶ際は、成分の濃度や量の多さが重要だと指摘。
さらに、登下校時に子供の安全を確保するには、車での送迎がよいと話します。

鳥獣対策コンサルタント・石名坂豪さん:
負担は大きいが、車で登下校を送迎するのが、鉄の箱で守られているので一番安全。