岩手県盛岡市を襲った記録的な大雨から、2025年8月27日で1年です。
被害が大きかった盛岡市上米内では橋などの復旧が進められているほか、災害の記憶を残すための工夫をしている住民の姿も見られました。
盛岡市上米内では、1年前の猛烈な雨に伴う被害で、地区を流れる米内川の流域では27日も、重機が流木を撤去するなど復旧工事を行っていました。
2024年8月27日、盛岡市では線状降水帯が発生し、薮川(盛岡市)の当時の24時間降水量は、観測史上最大の211.5mmを観測しました。
米内川が氾濫し、市内では道路関係は144件、河川関係は40件が被災し、住宅の床上・床下浸水・土砂流入などの住宅被害は86棟に上りました。
内記和人記者
「流されてしまった畑橋のあった場所の現在の様子です。少し上流に目を向けてみると、仮橋がかけられ車が通ることができるようになっています」
上米内地区の「畑橋」は、増水した米内川に流され7世帯18人が孤立しましたが、2024年に仮橋が架けられ通行できるようになりました。
市によりますと、新しい橋を架ける工事については、雨などで川の増水が懸念される今の時期を避け、秋以降に始める予定だということです。
完成は2026年度末と見込まれています。
一方、畑橋よりも下流にある百目木橋周辺では、市道の舗装や決壊した路肩の工事が今後行われる予定です。
上米内地区の米内川のそばに住む矢羽々忠一郎さん(84)は1年前、増水した川が自宅まで15mほどの距離に迫り一時孤立した経験から、浸水した場所に線を引き、災害の記憶が薄れないようにしているといいます。
1年前に一時孤立した 矢羽々忠一郎さん
「ここまで水が上がって、道路は泥をかぶって半分えぐれたとか、通行人に教えているということ」
市によりますと、市としての復旧工事の進捗率は96%だということで、市の危機管理防災課の新井田昌幸課長は「住民が安心安全に暮らせるよう、早期復旧に努めてまいります」とコメントしています。