今週は多くの学校で2学期が始まり、楽しい学校生活が始まった一方で、夏休み明けは不安を抱える子どもたちが増える時期でもある。

子どもたちを守るために何ができるだろうか。

2学期スタート―子どもたちの心境は?

「笑顔の2学期にしたい」(小学3年生の児童)

札幌市内の小中学校では8月25日から2学期がスタート。子どもたちの元気な姿が見られた。

一方で2学期が始まることを、夏休み中の子どもたちはどう感じていたのだろうか。

2学期を迎え元気な声が教室に響き渡った
2学期を迎え元気な声が教室に響き渡った
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「(Q:学校楽しみですか?)まったく。テストあるんで」(中学2年生)

「(Q:学校楽しみですか?)楽しみ!」(小学2年生)

「(Q:学校楽しみですか?)やだ!」

「(Q:なぜ嫌?)暑すぎ!」(ともに小学5年生)

「行き始めると楽しくなる。初日だけが少し面倒くさい」(小学生の母)

再び始まる集団生活に何らかのハードルを感じるのは多くの人が経験している。

そのまま日常生活に戻るのが大半だが、中には深刻な事態に陥るケースも。

2学期が始まるのを前に子どもたちの気持ちは…
2学期が始まるのを前に子どもたちの気持ちは…

悩み相談は7~9月で増加

札幌市の子どもアシストセンターに寄せられた悩み相談件数は2024年度までの過去10年で7月が最も多く、8月・9月も高い水準となっている。

子どもアシストセンターへの悩み相談件数(2015~2024年度)
子どもアシストセンターへの悩み相談件数(2015~2024年度)

子どもの心理に詳しい北海道大学病院の斉藤卓弥特任教授は、地域や友人との接点が減っていることが背景にあると指摘する。

「(以前は)朝のラジオ体操って毎日あったが、いまは5回くらい少なくなっている。(地域の行事など)地域や大人との接点が減ってきて、孤立感を子どもたちが感じやすい期間ができてしまった」(北海道大学病院 子どものこころと発達センター 斉藤卓弥特任教授)

北海道大学病院 子どものこころと発達センター 斉藤卓弥特任教授
北海道大学病院 子どものこころと発達センター 斉藤卓弥特任教授

子どもの自殺者数も増加傾向に

休み中のプール開放の減少や、一人でゲームをする環境が増えたこともあり、孤立化が進んでいるという。最悪の場合、自ら命を絶ってしまうケースも。

小学生から高校生の子どもの自殺者数は2024年に529人と過去最多に。2020年以降、500人前後で高止まりが続いている。

小学生から高校生の子どもの自殺者数は2024年に529人と過去最多に
小学生から高校生の子どもの自殺者数は2024年に529人と過去最多に

専門家は、子どもの孤立化を防ぐための視点が必要だと訴える。

「休み明けで授業が始業式のあとにある。急激な変化は子どもたちにとって大きなストレス。不安を聞いてあげる時間を作るのが大事」(斉藤卓弥特任教授)

札幌市教委は2024年度から児童生徒に配布した端末に、いじめ防止や不登校の支援を目的にアプリ「シャボテンログ」を導入。子どもの悩み解決事例も出ているという。

夏休み明けの不安な子どもをどう支えるか。学校や家庭が一体となって引き続き探る必要がありそうだ。

いじめ防止や不登校の支援を目的に札幌市教委はアプリ「シャボテンログ」を導入
いじめ防止や不登校の支援を目的に札幌市教委はアプリ「シャボテンログ」を導入

子どものためにできること

子どもの変化に気付くにはどうしたらいいのか。

子どもアシストセンターによると、「子どもの行動の変化に注意が必要」という。

SOSのサインは表情や声のトーンだけではない。

食欲、睡眠パターン、遊び方に変化はないだろうか。

もし変化があれば、SOSのサインを出している可能性がある。

こんな時はどうしたらいいのか。

・子どもの気持ちに共感を
・結論を急がず子どもが話しやすい雰囲気を作る

子どもを追い詰めず、自分から話したがる環境を作ることも大切だ。

さらに、生活リズムを安定させること。規則正しい生活、食事、睡眠をとることで成長の発達や感情をコントロールできることにつながる。

学校や友達などの悩みは相談窓口がある。

・「子どもアシストセンター」(札幌)
 子ども:0120-66-3783 大人:011-211-3783
 平日:午前10時~午後8時(土曜は午後4時まで)

・24時間子どもSOSダイヤル
 0120-0-78310

一人で悩まず相談を。

子どものSOSに気付くには
子どものSOSに気付くには
北海道文化放送
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