一連の大雨で日本有数の〈金魚の里〉にも影響が出ています。金魚を養殖する池が浸水し約3万匹が流失する被害に遭った玉名郡長洲町の生産者を取材しました。

先週、県庁を訪れた長洲町の田成 修一 町長。一連の大雨で被災した住宅や農地への支援に加え、特産の金魚の惨状を訴えました。

【長洲町 田成 修一 町長】
「金魚の養殖池からかなり逃げた。逃げてそのまま死んでしまう、水質が変わるので・・・。そういった中で金魚に対する支援もいただきたい」

木村知事は「一般的な漁業関連の支援策が当てはまらないため、県と町で連携して対応したい」と述べました。

【中原 理菜 キャスター】
「長洲町の金魚の養殖池です。大雨で養殖池の水があふれ、2万匹から3万匹の金魚が被害に遭ったということです」

金魚の養殖・販売を行うアクアランド徳永の徳永 吉宏 さん。10日から11日にかけての大雨で養殖池付近は膝の高さまで浸水し金魚が流失しました。3代続く中でも初めてのことだといいます。

【アクアランド徳永 徳永 吉宏 さん】
「(この養殖池には)5000匹入れていたが、おそらく100から200匹しか残っていない。被害の全容が見えてきて、ショック」

最も被害が大きかったのは『ピンポンパール』という種類で、現在の大きさでも1匹400円ほどするといいます。

このほか、徳永さんが品種改良してことし初めて誕生させた金魚で、順調に成長すれば、秋には販売価格が1匹3000円になるという金魚も被害に遭いました。

「一部は別の養殖池(いけ)で育てていたため、助かったのが救いだ」と言います。

【徳永 吉宏 さん】
「全国的に金魚の生産者が減っている状態なので、今回の被害も私が引退間近だったら引退のきっかけになり得るくらいの被害だと思う」

徳永さんは「金魚生産者には被災した場合の保険がない。同じような雨が降った場合に備えるための支援があれば」と話しました。

長洲町によりますと、町の養魚組合に加盟する11の事業者のうち、ほとんどが金魚の流失の被害に遭ったということです。
金魚の生産者が減少する中、町の産業を守るための支援が求められています。

テレビ熊本
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