大分県内では早期米の収穫が順調に進み2025年の新米が店頭に並び始めています。
猛暑の影響で新米の価格はどうなるのでしょうか。
国東半島に位置する道の駅くにみ。
26日こちらで販売されていたのは8月収穫されたばかりの「つや姫」いわゆる早期米です。
早期米とは4月に田植えを行い7月下旬から8月にかけて収穫されるコメのことで国東市は県内で2番目の作付面積を誇ります。
道の駅くにみでは先週から地元産の早期米を販売しています。
◆道の駅くにみ 青柳美江店長
「売れ行きは順調。いつもコメを出してくれる農家がいるが、その方がコンスタントに出してくれている」
気になる価格ですが販売価格は5キロで5500円。
生産者によりますと2023年は5キロ2800円ほどで販売していたので価格はおよそ倍になっています。
JAによりますと2025年早期米は2024年と比べて価格が高騰していて、秋に収穫される普通米も価格が上がることが懸念されます。
7月、JAおおいたは、2025年の早期米に関する概算金を決定しました。
「概算金」とはJAおおいたがコメの集荷の際、生産者に支払う前払い金のことです。
この概算金に精米のコストなどを上乗せしたものが店頭での販売価格になるため概算金の増減は販売価格の1つの指標になります。
2024年と比べ1万円以上増額されていて過去最高額となっているということです。
早期米の販売が始まる中、次に控えているのが普通米の収穫です。
連日続く猛暑の影響が心配されますが、この暑さに負けずにしっかり成長しているコメがありました。
◆TOS児玉直輝記者
「由布市にあるこちらの田んぼでは、なつほのかがたくさんの穂を実らせていて収穫の時をいまかいまかと待ちわびている」
暑さに強い品種と言われている「なつほのか」。県が2022年度から導入を進めていて県内では由布市のほか宇佐市と豊後大野市で作られています。2024年度の県内の作付面積は3015ヘクタールで生産量は年々増えているといいます。
◆なつほのか 農家河野誠二さん
「高温障害に強い非常にいい品種。籾(米粒)が白くなったりというのが非常に少ないので収量もとれる」
気温が高すぎるとコメは高温障害を引き起こし米粒が白く濁ったり十分に育たないなどの影響が出ます。
なつほのかは、2025年のような猛暑でも順調に生育が進んでいるということです。
また、味も申し分ありません。
2024年、河野さんが栽培したなつほのかは全国のコメが集まる品評会で金賞を受賞しています。
◆TOS児玉直輝記者
「ではなつほのか、いただきます。粒が大きくて食べ応えがある、噛めば噛むほど優しい甘さが出てくる」
◆コメ農家 河野誠二さん
「もう後は天気次第だがせっかく(生育)状況がいいのでこの状況を維持してしっかり収穫に繋げたい」
今後も懸念されるコメ不足、暑さに強いなつほのかは9月中旬に収穫を予定していてコメの安定供給に頼もしい存在となりそうです。
新米の販売が始まっていますが政府の備蓄米は県内のスーパーでまだ販売されているのでしょうか。
最新の状況を調べました。
「マルショク」「サンリブ」「マルミヤストア」「新鮮市場」ではそれぞれ仕入れた分はすでに完売していました。
トキハインダストリーでは一部の店舗でまだ備蓄米の在庫があり5キロ3580円で販売しているということです。
そして今後の予定についてはいずれのスーパーもこの先備蓄米を仕入れるかどうか未定だということです。