優れた新聞・テレビ報道に贈られる2020年度の「新聞協会賞」が、新型コロナウイルス感染症について報道したフジテレビの番組に贈られることが決まった。
フジテレビは、新型コロナウイルス重症患者の治療にあたる病院を長期取材し、報道特別番組「コロナ重症病棟 医師たちの闘い」として7月11日に放送した。
番組では、重症患者が入院する「自治医科大学附属さいたま医療センター」の病棟内などで、感染防止策を講じた上でのべ300時間に及ぶ撮影を行い、コロナ重症化の実態と、医療従事者の献身や葛藤を、医師に装着したカメラの映像も含めて克明にとらえた。
この記事の画像(4枚)日本新聞協会は授賞理由について「感染防止のため高リスクエリアへの立ち入りが困難な中、病院との信頼関係を築き、医師に小型カメラを装着し重症病棟の緊迫した治療の様子や医師の葛藤を克明に伝えた。特に、ECMO(体外式膜型人工肺)交換や重症患者の映像は多くの視聴者に衝撃を与えた。 日本社会がコロナ禍に揺れる中で、知られざる医療最前線の実態を収めた映像は後世に残る優れた報道として高く評価され、新聞協会賞に値する」としている。
フジテレビが新聞協会賞を受賞するのは4年ぶり5度目で、授賞式は11月26日に行われる。
フジテレビ報道局は「通常は入れない重症病棟の内部をできるだけ映像で伝えたいと考え、取材を行った。今後も、コロナ感染と社会への様々な影響について、多角的に取材・報道してまいります」とコメントしている。
フジテレビ これまでの新聞協会賞受賞作品
1985年度 スクープ「日航ジャンボ機墜落事故『墜落現場に生存者がいた!』」
2002年度 シリーズ検証・C型肝炎
2008年度 ミャンマー軍兵士による長井健司さん銃撃の瞬間ビデオ映像スクープ
2016年度 鬼怒川決壊「濁流に呑み込まれる家族」のスクープ映像
2020年度新聞協会賞 ほかの受賞決定作品
NHK 「戦没者遺骨の取り違え公表せず」の一連のスクープ
神戸新聞 教員間暴力のスクープと神戸の教育を巡る一連の報道
沖縄タイムス 焼け落ちた沖縄の象徴
毎日新聞 「にほんでいきる」 外国籍の子どもたちの学ぶ権利を問うキャンペーン報道
中国新聞 「ヒロシマの空白 被爆75年」「ヒロシマの空白 被爆75年 街並み再現」