長崎市出身のノーベル賞作家カズオ・イシグロさんの長編小説デビュー作を映画化した「遠い山なみの光」の全国上映が、9月5日から始まります。

それを記念し、映画の舞台となった昭和の長崎を体験できる見学ツアーが開かれました。

ツアーは昭和レトロな空間を今に残す「魚ん町+(うおんまちプラス)」で開催されました。
鉄筋コンクリート4階建てのこちらの建物は、戦後間もない1949年から2019年まで使われていました。

現在は民間の事業者が店舗や宿泊施設として活用し、県が一部を保存しています。

アパートが建てられた同じ頃の1950年代の長崎を舞台にした映画「遠い山なみの光」は、日本人の母とイギリス人の父を持つ女性がかつて長崎で暮らした母親の記憶をたどる物語です。

KTN記者
「玄関は少し低めになっていますが中に入ってみると8畳と6畳の和室が2間、そしてまた別に台所があります」

台所の配膳窓は、広瀬すずさん演じる主人公がお弁当を出すシーンとしても登場。モデルになったのがこの団地です。

ココトト合同会社 田中伸明さん
「映画の舞台になった場所が自分の住んでいる長崎にある、実際に体験してもらうことで映画を見るだけではなく、そのあと2倍楽しめる」

25日からは、映画のパネルや団地での暮らしを写した写真を展示しています。

ココトト合同会社 田中伸明さん
「当時の長崎の人からすれば憧れの存在、最先端の場所だった古くなったから取り壊すのではなく、今を生きる僕たちが新しい想像力をもって次の時代につなげていくことができればすごく価値のあることになる 」

今後も映画公開を記念した読書会やトークショーが予定されています。

テレビ長崎
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