さて、残暑というより本格的な暑さが続いていますが、暑い、暑いと言っている間に、子どもたちの夏休みも終わりに近づいてきましたね。

子どもたちは夏休みの宿題を計画的に進めていますか?自由研究は時間がかかりますよね。

富山市科学博物館では夏休みの自由研究に役立ててもらおうと、子どもたちの質問に学芸員が答える相談会が開かれました。

*子ども
「今、自由研究で『光の偏光』というテーマにしようと思ったが、まとめるにはあとどんなことを書いたらいいんですか?」

*学芸員
「偏光は向きがあるから、角度を変えてみると見え方が変わるところがあるはず。サングラスとかでもいいけど、それをここに当ててぐるっと回したときに映りこんでるものが消えるかどうか確かめてみるとか、やってみてもいいのかなと」

この相談会は、子どもたちに科学に関心を持ってもらい、自由研究に役立ててもらおうと夏休みが終わりに近づく8月下旬に毎年開かれています。

今回は、小学生の親子など32組が参加し、岩石や昆虫、植物など9つの分野にわかれて学芸員や専門家から自由研究のアドバイスを受けていました。

相談の様子
「この生き物の名前教えてほしい」
「ヒメゲンゴロウの幼虫だと思う」
「なるほどね」
「まず特徴が身体の横にトゲみたいなものが生えている。ヒメゲンゴロウはそういう突起、トゲがないよね。ということでこれじゃなさそう。近い他のものとしては『ガムシ』といってよく水中にいる昆虫」

なかでも多かったのは昆虫や石に関する質問です。

*学芸員
「子どもたちは夏といえば昆虫に目や耳がいく。育てている子もいる。石の質問は小学
校の低学年、1~2年生からが多かった。目の前の石を拾って『これ何だろう』と思うことから研究に入ると思う」

*子ども
「メノウと水晶の見極め方を教えてもらった。わかるようになった」
「(虫の)名前がきけてよかった」

そして今回は特別夏休みの宿題に参考にしてもらおうと自宅にあるもので簡単にできる実験を教えてもらいました。

化学担当の学芸員、本田実咲さんです。


*本田学芸員
「お絵描きでも大活躍の水性ペンを使った楽しい実験を紹介します」

使うのは、この4つ、水性ペン、キッチンペーパー、透明なコップ、消毒用エタノールです。

消毒用エタノールは水でも代用できます。

*本田学芸員
「今日の実験では赤色と緑色の水性ペンを使います。この実験は色の変化がとても楽しい、小さいお子さんにもおすすめ」

キッチンペーパーは縦に細長くカットし、消毒用エタノールはこのくらいの少ない量を透明なコップに用意してください。

ここから、実験スタートです。

*本田学芸員
「キッチンペーパーにそれぞれ水性ペンで線を引いていきます」

水性ペンで一色につき一枚、このように線を引いてください。

それを消毒用エタノールが入った透明なコップに入れます。

*本田学芸員
「このとき1つ注意点があります。この水性ペンの線にエタノールが直接触れないようにしてください。キッチンペーパーの先だけ濡れるようにするのがポイントです」

ここから目を離さず、線がどうなるか注目してくださいね。

・エタノールを吸い上げて、一色の線が何色ものグラデーションに変わる
・緑色は3色に変化
・赤色は変化せず

*本田学芸員
「緑色の線がだんだん、青色緑色黄色と分かれているのが見えますか。赤色はどれだけ上にあがっても赤色のままで色の変化がみえてこないですね」

「水性ペンのインクは色素という小さい色のつぶつぶがたくさん混ざっている。緑の場合は青と黄色の色素が入っていた。色素はそれぞれ水と仲が良いものと紙と仲が良いもので性質が違う。(ペーパーの)上の方にあるものは水と仲が良く、上に水があがっていくのにあわせて、(色素も)上までたどりつく。逆に紙と仲が良い色素は遅れて上に上がってくる。下のほうにいる。赤色は赤色の色素だけこのインクの色が作られていることがわかる。それぞれ分かれる色もあれば分かれない色もあるのがすごく楽しいポイント」

この実験は「ペーパークロマトグラフィー」という分離方法で、水性サインペンのインクに何色の色素がはいっているのかを、紙と水を使って調べることができます。

*本田学芸員
「『どうして色の変化が起こるのか』など考えてもらえたら、色の順番の秘密がわかってもっと楽しめる」

教えていただいた学芸員の本田さんはこの実験におすすめなのは「黒色」だと。

どんな色に分かれるのか、ぜひやってみたいですね。

富山テレビ
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