8月19日からの記録的大雨で被災した秋田県仙北市では、住民が片付け作業に汗を流しています。1日も早い生活再建を目指し、ボランティアの受け入れに向けた準備も進んでいます。

伊藤晴子記者:
「桧木内川の氾濫から2日目の夜が明けた仙北市西木町上桧木内地区。氾濫で押し寄せた泥水が乾燥し、粉じんとなって舞い上がる中、住民や行政が懸命な復旧作業を続けている」

氾濫した桧木内川のそばにある市の施設「紙風船館」の前の道路では、乾燥した泥を洗い流す作業が進められていました。

住民の生活に欠かせない施設でも復旧作業が進みます。「紙風船館」の向かいに建つ「上桧木内郵便局」です。

今回の大雨で床上13センチまで浸水。当時働いていた職員3人は避難し無事でしたが、建物の外には20センチほどの泥がたまっていました。

21日から清掃を始め、22日は県内や東北各県の郵便局関係者が応援に駆け付け、30人で作業にあたりました。

日本郵便東北支社 危機管理担当・新田大和課長:
「社員が安全に仕事ができて、地域の客に郵便のサービスを提供できるように1日も早く復旧できるよう取り組んでいきたい」

住民も復旧作業に追われています。兄と2人で暮らす門脇茂基さんの住宅です。

1メートル50センチほどの高さまで浸水し、1階の部屋のほとんどが泥まみれに。

22日は、朝早くから家の中に流れ込んだ泥を懸命にかき出していました。

自宅が床上浸水の被害・門脇茂基さん:
「とにかく住めるように、食事できるように、休憩できるようにしてほしい。私が寝るのは2階だから構わないが、兄は下だから。とにかく休憩場所もない。めちゃくちゃ」

こちらの住宅には、22日、市の社会福祉協議会の職員がボランティアの受け入れを前にニーズの調査に訪れました。

茂基さんの兄・門脇茂里さん:
「大変だ、とにかく。こういうの初めてだ78年生きてきて」

仙北市社会福祉協議会の職員:
「命助かってよかった、避難して」

また、これまでさまざまな災害の被災地でボランティアとして活動してきた日本赤十字東北看護大学の及川真一さんも支援に向けて動き出しました。

22日は社会福祉協議会の職員とボランティアの活動開始に向け、必要な準備などについて話し合っていました。

日本赤十字東北看護大短大・及川真一さん:
「一軒一軒、住宅によって求められているものが違うので、寄り添いながら丁寧に対応することを考えて体制を整えている」

上桧木内地区では、23日からボランティアの活動が始まります。

また、上桧木内地区の120戸で断水が続いています。地区の5カ所に給水車や給水タンクが設置されているほか、市から要請を受けた県と大仙市のトイレカーが稼働しています。

秋田テレビ
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