8月21日から選挙戦が始まる三重県知事選。最大の争点と言えそうなのが、2期目を目指す現職・一見勝之さん(62)の4年間の評価です。

■有権者は「真面目」との声 本人は「おもんないですよね」
一見勝之さん:
「点数は皆さんがつけていただいたらいいんじゃないかなと思いますので、自分では点数はつけないことにしています」
三重の有権者に一見さんの印象を聞いてみると、「真面目」、「手堅い」といった声が多く聞かれました。

県民:
「真面目そうで」
「堅実な方で頭もさえている」
「三重県の行政に問題なく、無難にこなしているのではないか」
国交省の官僚から知事に転じた一見さん。今回の選挙を前にした取材の場で学生時代の経験について聞かれた時も…。
一見勝之さん(8月12日):
「勉強してました。それから基本サッカーしてました。ぐらいしかないよな〜、空手もやってましたけど。だから、おもんないですよね。真面目なんですよ。真面目って自分で言うのもあれですけど、おもろないですね」
そんな一見さん、自他ともに認めるまじめな性格でコツコツと進めてきたとするのが「防災対策」です。
7月のカムチャツカ半島の大地震による津波被害に対しては、復旧の費用の補助を早々に打ち出したほか、県内8か所の津波避難タワーの整備などを実績として訴えます。
■Xの更新も4年間無し…連日取材を受けていた鈴木英敬前知事と比べ…
しかし、県民からはこんな注文も…。
県民:
「目立たない。積極性をもうちょっと出していいかなと思う」
「鈴木(前知事)さんの方が色々はっきりしていた」
同じ元官僚ながら、連日テレビカメラの前での取材に応じていた鈴木英敬前知事。対する一見さんは、週に一度の定例会見以外にメディアの取材に応じる機会はほとんどありません。
その定例会見では、こんな場面もありました。

一見勝之さん(8月12日):
「県知事が投資を呼び掛けるってないですよね。私に連絡した人も『知事やってます?』って。やってませんけどって」
一見さんの名前をかたって投資を勧誘するインスタグラムのなりすましアカウントが見つかったとして県民に注意を呼びかけましたが、そもそも一見さん本人は、インスタのアカウントを持っていないことが明らかに…。
前の知事選のときに使ったXの更新も4年間滞り、情報発信に積極的とは言えません。
一見勝之さん:
「県民に県政でお知らせしたいことを発信するには、SNSを使わなくてもできるのではないかと思って今までやってきた。SNSは必要があればと思っているが、なかなか時間が…」
一方、これも「まじめすぎる」ゆえなのでしょうか…。
県職員(2025年3月):
「知事の考えを職員に伝えるコミュニケーションに関しては、改善の余地があるではないか」
2024年、県庁のハラスメント相談窓口に対し、職員を理不尽に叱責したとの指摘や、急な呼び出しが負担になっているなどの声が寄せられ、パワハラには当たらないとされたものの、改善を求められました。
一見勝之さん(2025年3月):
「指摘のあったコミュニケーションはしっかりやっていく。私がどういう人間なのかをわかってもらう努力をこれからも重ねていかないといけない」
■立候補を予定している新人2人は
一見さんのほかに、新人2人が立候補を予定しています。
共産党県委員会が支持する建設会社社長・石川剛さん(51)は一見さんについて「県民の生活を第一に考えた仕事をしていない」と批判します。
石川剛氏:
「(三重県に)何が必要なのか、発展させるには何が足りないのか。多くの人から直接聞いているが、それ以外にも潜んでいる課題はあると思う。県としてはみんなの意見を聞いて、『こういう方針でいこう』と示すのが重要」

元四日市市議の伊藤昌志さん(55)は、一見さんが苦手としてきたSNSの積極的な活用に意欲を見せています。
伊藤昌志氏:
「生の声で伝えるということは県政をお知らせすることに繋がる。ライブ配信はYouTubeやTikTokで毎晩やっているので、絶対やっていく」

8月21日告示の三重県知事選、投開票は9月7日です。