獅子舞が全国各地を巡る国の重要無形文化財、「伊勢大神楽」の巡業が2025年も玉野市で行われました。次世代の担い手不足が課題となるなか、伝統をつなごうとする後継者の思いを取材しました。
玉野市日比に2025年も伝統の獅子舞がやってきました。江戸時代から続き、国の重要無形文化財にも指定されている「伊勢大神楽」です。
伊勢大神楽の家元の1つ、森本忠太夫さんの一行は、1年のうち、10カ月ほどをかけて近畿・中四国地方を巡っていて、玉野市日比には毎年、お盆明けごろに訪れています。
(獅子舞が子供をかむ様子)
8月17日の玉野市の最高気温は35度。炎天下の中踊り続けるため、こまめな水分補給は欠かせません。17日は、約4時間ほどかけて約50軒の家をまわりました。
(地元の人は…)
「10歳の時から先代の人たちが来てにぎやかに踊ってくれていた。来てくれたらうれしい」
「歴史があるから重みがある。伝統はすごいなと思う」
一行を率いるのは家元の忠太夫さんの孫で次期後継者の森本和也さん(23)です。中学校を卒業後、15歳でこの世界に入りました。
(森本忠太夫一行 森本和也さん)
「小さいころからDVDで見て、いい伝統だなと思っていた。いざこうして携わらせてもらうとまだ続いているので、僕の世代よりも先の世代まで続かせたい」
しかし、課題となるのが担い手不足。一行でも高齢化が進む中、和也さんには伝統を守り抜いていく強い意思がありました。
(森本忠太夫一行 森本和也さん)
「何百年と続いているので、僕の代で終わらせるわけにはいかない」
地域に根差し人々の暮らしとともにあった伊勢大神楽。舞い続ける後継者の挑戦はこれからも続きます。
(森本忠太夫一行 森本和也さん)
「これから先も、何十年何百年と続くように気を引き締めてやっていく」
森本さんの一行は、秋には丸亀市の本島や小豆島など瀬戸内の島々を巡ります。