「伊予の小京都」大洲で夏旅!
愛媛県の南西に位置する大洲市は、「伊予の小京都」として知られる水郷の城下町だ。
大洲市中心部を流れる肱川は大洲のシンボルとも言える存在で、江戸時代は6万石の城下町として栄えた。
テレビ愛媛の小川日南アナウンサーが、肱川の夏限定グルメや地区の魅力を発信するサステナブルなイベントを体験した。

大洲市は”うかい”で有名な城下町
愛媛県の南西に位置する大洲市。大洲市中心部を肱川が流れる水郷、江戸時代は城下町としてにぎわった。
小川日南アナ:
「大洲のシンボルとも言える肱川では、屋形船で川下りが楽しめるんです」
川下りに使われる屋形船は、大洲の夏の風物詩「うかい」で使われているもの。そこで
特別に肱川を案内してくれるのは、鵜匠の井上利和さん。
「日本三大鵜飼い」のひとつに数えられる大洲・肱川のうかい。井上さんは鵜を操る「鵜匠」を15年近く務めるベテランで、肱川の水先案内人とも言える存在だ。

肱川は歴史あるたくさんの建物がある
早速うかい船に乗って、肱川の遊覧に出発!
小川アナ:
「木の中にとけこむ建物が印象的ですね。あれは何の建物ですか?」
井上鵜匠:
「臥龍山荘です。元々は大洲の殿様の持ち物、土地が。当時の豪商が別荘として建てたんです」
小川アナ:
「屋形船は川との距離がかなり近いですね、手を伸ばせば触れてしまうくらい」
井上鵜匠:
「良い音でしょギーコ、ギーコと」
小川アナ:
「良い音です。漕いでいるスピードに揺られながら進むのが、心地よいですね」
井上鵜匠:
「大洲は肱川がメインですからね。昔は肱川のまわりにお百姓さんもいたし、帆掛け船を走らせたり、肱川を中心に町が発展しています。春になったらお城のまわりに桜が咲くので桜遊覧も出したり色々やっていて、肱川を利用させてもらっている」

肱川の夏の味”アユ”は化粧塩がこだわり
素敵な川下りのあとは、この時期ならではの「肱川の恵み」をいただく。
大洲市にある創業55年の料理店「との町たる井」では、肱川で取れたアユ料理を楽しめる。アユをまるまる1匹塩焼きにした「鮎定食」は、アユ漁が解禁される6月から秋ごろまでの期間限定で提供される、大洲の郷土料理のひとつだ。
料理長:
「(Q今の時期のアユは?)これで90グラム、100グラムが一番大きいくらい」
「化粧塩なので身のほうにはかけない」
粗塩を付けるのは尾ビレや腹ビレなどヒレの部分のみ。化粧塩と呼ばれ、焦げを防ぎアユを美しく見せる料理店ならではのこだわり。
小川アナ:
「丸々一匹アユ、こんがり焼けておいしそう。香ばしい香りが食欲を刺激します」
まずは塩焼きを「そのまま」でいただく。
小川アナ:
「ん~ふっくら!」「身はふっくらしていてちょうど良い塩加減と白身の甘さがマッチ。ごはんが進みますね」
続いてはさわやかな苦味が特徴の自家製の蓼酢につけて。
小川アナ:
「白身の甘さと蓼酢の酸味がよく合います。夏らしいさわやかな味ですね」
シンプルながらもアユのおいしさがぎゅっと詰まった定食。肱川とともに歩む大洲の歴史を感じることができる。

古民家再生でサステナブルに…”うかい”ならぬ”迂回バル”
大洲城のふもとの肱南地区は、明治時代から大正時代にかけて木ろう産業や製糸業で栄えた。現在も当時をしのぶ建物や町割りが残っていて、古民家再生で空き家の活用が進むサステナブルなエリアとして注目されている。
小川アナ:
「肱南地区では夜の大洲を盛り上げようと、地区の店舗をめぐるはしご酒のイベントが開催されているのです」
大洲の名物「うかい」とまわり道をする「迂回」にちなみ、「迂回バル」と名付けられたこのイベント。
小川アナ:
「地元のお酒ということで、臥龍醸造のクラフトビールいただきます。おいしい!」
肱南地区の飲食店など20店舗近くが参加し、それぞれの店がイチオシの「推し酒」と「おつまみ」を提供。地区をひとつの「バル」に見立て回遊しながら楽しんでもらおうというわけだ。

はしご酒で楽しむ街並みと人の温かさが魅力
小川アナ:
「こんにちはこのスイカサワーをお願いします」
PaletteSTAYS・梶尾太一郎代表:
「スイカサワーはフルーティーで夏らしいお酒、炭酸割りしてその上に大洲産のスイカを乗せています」
小川アナ:
「スイカの優しい甘さがおいしい。さわやかなスイカの香り、炭酸なのでさっぱり夏らしい味」
スタンプラリー形式でコンプリートすると記念品がもらえる。ちなみにこの日は浴衣を着て参加するとスタンプが1個サービスの「浴衣デー」。
参加者(地元から):
「毎回『迂回バル』に参加してます」
「(Qスタンプラリーは?)半分たまりました、一生懸命来ればたまります」
参加者(八幡浜から):
「(Q毎月来ている?)予定があえば毎月来ています。3軒連続同じ方とお会いして『またお会いしましたね』」
「(Q大洲の魅力は?)街並みもそうですし、人が優しい温かさが魅力」
去年1月からスタートした「迂回バル」。月に1回の開催ですが徐々に出店数や客足も増え、地元は手ごたえを感じている。

「おおず夜まで迂回バル」とは?
「おおず夜まで迂回バル」商店会実行委員会・帽子千秋委員長:
「迂回バルは飲食店だけでなくレザー店、アクセサリー店物販の店がその日だけ保健所に登録をしてやっている。今まで行ったことのないお店にみなさんが足を運んでくれる。お店を知ってもらうきっかけにもなっている」
葵CAFE・米澤ふみさん:
「きょうも120人から130人のお客さんが暑いなか来てくれた。にぎわっています。みんなで協力して楽しんで、長く続けようとやっています」
帽子千秋委員長:
「地域のイベント(年1回の)『打ち上げ花火』ではいけない。持続して継続できること長く負担がなく続けられるイベントが、町の文化や思い出になっていくと思う」
城下町に息づく歴史や文化。今年の夏は、大洲のサステナブルな魅力にふれてみては。
